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Mission10# ミッドガンド――ミリカの地下都市―― 3/3

先へ進むほど、周りの岩は岩をくり抜いた住宅へと代わり始めた。



「イリス、誰もいないね」

「そりゃそうだろ?ここに住んでいるいる人はいないさ」


「そうじゃなくて、魔物だよ。普通は襲ってくるはずなんだけど‥」




進むにつれて地上と同じような住宅の並ぶ町へと姿を変え、あの貯水湖の水が今も町の側を通っていた。


「あれって‥」
「噴水‥?でもなんで‥」


町の広場らしき場所の中央には噴水があり、上が覗けれほどの低さで穏やかに段を作って流れていた。

水が湧き出た先は一つの水路へとつながり、別の川へと合流していた。噴水の近くに寄ると、その一番上には金色の玉がはまりどうやら水は玉から水があふれ出ているようだ。




「サイコエネルギー?ってことは、ここはこの町の水の源ってことか」

「‥‥これが無くなったら、ミリカは」


「生活していけなくなるな、水がないと‥。盗まれなかったらいいけどな」



盗んでるわけじゃない!そう言いたかったが、何も言えなかった。


「ここにずっと水が溢れてたらいいね」



イリスはそんなティアを見て、表情を少し緩めた。

「そうだな」


またドキッとなって、ティアも自然と笑みがこぼれる。

「たぶんこの先に行くと、広場の地下に着くと思う」



イリスと川の先を交互に見ながら話していると、イリスの顔が少し赤くなっていた。

「どうしたの?」


「‥なぁ、もし地下から出られたとしたらもう一度会わないか?ミリカじゃなくても、ティアの家じゃなくてもいいから。‥えっと‥‥その‥今度はちゃんと会いたいと思って」


そう言われて、ティアはみるみる顔が火照っていく。
さっきまで見れたイリスの顔が急に見れなくなった。



「‥うん、いいよ。でも‥私、明日にはこの町を出るから‥‥せめて場所といつかを教えて」

「えっとじゃぁ、時計塔のサンセットの噴水広場で、そうだな‥5日後の夕方、18:00ぐらいに。俺の住んでる町だからいろいろ教えてあげられるし」


「うん、楽しみにしてるね」




川に沿って先に進むと、火の光よも弱く火とは違う光が川の先に見えてきた。
風がかすかに流れ込んでいるらしく、ひんやりとした空気に変わり始めている。

確かに川の先には出口があったが、広場へ続く階段ではなく、路地裏の小さな空き地へと出た。


「ごめんなさい、違う場所に出ちゃったね」

「いや、おかげで出られた。ありがとう」



砂漠の中にある町なのか、夜はかなり冷え込んでいた。
東の空は明るくなってきている。

もうすぐで新しい朝が来るのだ。


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Mission10# ミッドガンド――ミリカの地下都市―― 2/3

ぼんやりとした風景。緑、黄色。
ぼんやりとした人影。
こちらに向かって何かを言っているらしい。

何を言ってるんだろう・・。




そう考えていると、すぅーっと意識が戻ってきた。
先に目に映ったのはやわらかいオレンジ色の光だった。金色の玉の上に火が灯り、音を立てずにユラユラとゆれている。

誰かの服をまくらや毛布にしていたおかげで、冷えで体がかじかむことはなかったようだ。
体中あちこち痛んだがどうにか起き上がってあたりを見回した。
あの穴は井戸の跡でその理由に、地下水の貯水湖のような場所に落ちたところから、
どうやらかなり下まで落ちたようで、ティアがいるこの場所は貯水湖の岸辺ともいえるような場所だった。


 「起きて大丈夫なのか?」

声を掛けたのは、火の側に立っていたあの時の青年だった。



 「あ、あの・・さっきは助けていただいてありがとうございました」
 「いや、それはいいけど。体休めとけよ?」



右肩には布切れで包帯のように巻かれ、服のすそから見え隠れしている打撲のアザはまだ残ったままだ。
青年が心配するのは無理もない。



「痛々しいですよね。でも大丈夫ですから」


「そうじゃなくて‥、まぁ‥そうなんだけど‥、この先に地下都市があったから、そっちに移動しようかと思って。その前に傷見るよ」




そう言って青年は隣に座り、右肩の巻いた布を取り外して新しい布に取り替え始めた。


そういえば追われたままで食料は何も持っていない。
ティアはハッとして、食料とまではいかなくても、あるのは非常食のクルミなど栄養価の高いモノを持ち合わせていたことを思い出した。

自分のロープを手に取り、ポケットの中にある小さい袋の中からクルミ2つ分ほどのむきクルミを取り出してそれを青年に渡した。




「こういうのしかないけど、良かったら食べて」

「ありがと」



布を巻き終えると、二人並んでぽりぽりと音を立てた。



「‥クルミってこんなに美味しかったっけ?」

「今が食べ頃なのかな?私が住んでいた家の近くにこのクルミがよく採れるの。栄養があるからってよくメアリーおばさんに渡されて非常食用に取っていたの」


「メアリーおばさん‥?」

「私のお母さんみたいな人‥。記憶をなくしてメアリーおばさんに助けられてから、よくしてもらってる。今は何度かしか会いにいけてないけど」


「なんて名前?」


名前を聞かれてドキッとした。もしかしたら‥――、パラディンかもしれない。‥そう思ったが、この人なら話しても大丈夫という安堵感もあった。


「ティア」

「ティアか、いい名前だね」


「で、でも‥ホントの名前じゃなくて‥。メアリーおばさんがつけてくれたの」


「それでもいい名前だ、俺はイリス」

「‥イリス」


不思議と気持ちが高揚し、鼓動が聞こえ始めた。


「イリス、そろそろ行かなきゃね。クルミは一時的なものだからお腹空くだろうし」

「そうだな、じゃ行くか」



ロープを羽織り柔らかな光に包まれながら、奥へ奥へと進んだ。

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Mission10# ミッドガンド――ミリカの地下都市

地上に出ると当たりは買い物客で賑わい、騒がしかった。
この中で探すわけにもいかず、一度宿屋に引き返す事にした。
すると突然、誰かの腕に当たり、モノが落ちる音と共に怒声が後方から響いた。


「どこ見て歩いてんだ!おい聞いてるのか!!」


急にガッと肩を掴まれ、無理やり向きを返された。
体格のしっかりした射撃兵でその足元にはクロスボウが落ちている。



「どこのもんか知らんが、ここにはここの常識ってもんがある。
この町を守っているのにこれがその報いか!?」

「すみません、急いでたもので」


誤って立ち去ろうとしたとき急に手首をつかみ引き戻され、その反動でティアは倒れこんだ。


「逃げる気か?!ただじゃ逃がさんぞ!!報いとして金を払え」

「そんな・・、お金は持ってません」

「持ってないだと?!じゃ、どう埋め合わせるつもりだ、ああっ?!」



ティアは痛めた身体をさすりながら、剣が使えたらどんなにいいかと悔やんだ。
しかし、見つからないようにという館長の言葉を思い出し、その衝動を耐えた。

今にも憤りをティアにぶつけそうな勢いであったが
ふと隣にいた別の射撃兵にささやかれ、顔色を変えあざ笑った。


 「金がないなら、お前が金になれ!こい!!」

 「・・!!」



 「ちょっ、金ならここにあるけど?放してあげたら?」


騒ぎを聞いていつの間にか周りに人が集まっていたが、
そのうちの誰かが射撃兵に小袋に入ったお金を投げつけたらしい。

射撃兵はそれを上手くつかみとり、持ち主を探し始めた。



 「誰だ!邪魔するやつは」

 「俺だよ」


人ごみの前列に、フード付のコートを着た栗毛の青年が射撃兵に言い放った。


 「金がほしいんだろ?だったらやるよ」

今度こそ放してくれると思ったが、どういうわけか射撃兵はティアの腕をつかんだままだ。



 「それで放すと思ったか、小僧・・――」


青年は俊敏に射撃兵に詰め寄るととび蹴りを食らわし、ティアの手を取った。

 「逃げるぞ」

射撃兵は伸びていたが、隣に居たの射撃兵があわてて追いかけてくる。
青年はティアの知らない入り組んだ路地裏を走りぬけて行った。


 「貴方は誰?」

 「そんなことより追っ手は?」


後ろを振り返ってみたが射撃兵の姿はないものの、足音や声で徐々に増えていっていることだけはわかった。


 「きてないけど、そのうち来ると思う」


突然青年は立ち止まり、後ろを振り返った。


 「どうしたの・・?」
前を向くと目の前にはぽっかりと空いた穴があり、穴の前にはロープで周りを囲っていた。

  ――行き止まり・・?――!!

殺気を感じふと上を見上げると、射撃兵がこちらに向かって狙いをつけていた。

 「危ない!!」


青年をかばおうと穴へと身を押し出してた瞬間、右肩に激痛が走った。


身は下へ・・下へ・・と落ちていき、水の中へと飛び込んだ。
何が起きたかわからないまま、ティアは意識を失った。


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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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