うぐいす色の実

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Mission12# ハイヴヘイム――約束―― 2/2



〈館長室にて〉


コンコン‥。
館長が書類の整理をしていると、ノックの音が聞こえた。


「お入りなさい」



ティアは館長の声を聞いてそっとドアを開けた。
いつもは書類でごちゃごちゃになっている館長室はきれいに片付き広々とした空間に様変わりしていた。



「ティア・シルバートです。すみません‥、聖月祭の前なのにお邪魔してしまって」


「いいから、かけなさい。大丈夫、マフィン君には下がってもらってるから。
  それで――私に何かしてほしいことがあるのかな?」


図星だ。
ドキッとなりながらも、手前の椅子にティアは腰かけた。



「セシルから聞きました。聖月祭は‥ノヴァ全員が参加なのですね」

「基本は‥でも何か用事があるのかい?」



「約束で‥今晩は聖月祭を少しの間だけ抜けてもいいですか?」

「‥ハイヴヘイムではないのだな?」


ティアはまたドキッとした。
まるで何もかも館長に見透かされているように感じた。




「この時期に抜け出す者はハイヴヘイム中おらんよ。君が初めてだ」

ティアは手をギュッと握り締めた。


「すみません‥、ミッドガンドで助けて頂いた方と会う約束をしたのです。
  お礼は‥例え人でもしなければと思って」



「寄りによって人とはな‥。それに今日は、聖月祭‥――その昔」



館長の話によると聖月祭は昔、人と亜種が共に平和を願う祭りとして始まったらしい。
しかし人がハイヴヘイムから去ったあと、
聖月祭は亜種が世界樹を敬う祭りとして行っていたため人を祭りには加えなかった。

人の命は亜種よりも短い。

そのために、人は聖月祭を忘れたという。




「――‥ティア、ある意味君は間違っているとはいえないが、長居はしてはならない。
パラディンがミッドガンドにはたくさんいる。
皆には内緒にするが、気をつけていきなさい。このことはみんなに口外しないように」



まさかの発言にティアは驚いたが、嬉しさのあまり声は出さず一礼して館長室を後にした。



「私もまだまだ甘いな‥、フレイ」


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Mission12# ハイヴヘイム――約束―― 1/2

Mission12# ハイヴヘイム――約束―― 1/2


〈はじめの園にて。〉



「すごい!?聖月祭ってこんな感じなの?」



ティアは思わず、声を出した。
世界樹の周りは普段花畑一色なのだが、今回ばかりは違っている。

スプライトたちがいつもは背の低い花を成長させ、
向かい側に伸びてきた花を絡めあわせてアーチを作っていた。

中には世界樹の幹にまで伸びる花もあり、伸びてきた花同士絡み合いながら、
世界樹の下にアーチ型の屋根が三層の高さに分けられて次々作っていく。



世界樹の元にある円形状の大広場の隅には、お店らしきテントがすでに並びはじめていた。


 「開催は夜の月だから、いよいよ今晩からだよ」

セシルは嬉しそうだ。


 「――もちろん、シグマ様だけどね!」


 「シグマさま・・・?」

ティアが不思議そうに首をかしげてると、セシルは驚いてティアの両手を手に取った。



 「ティア、知らないのっ!?」

 「・・ご、ごめん。こういうのには疎くて」


あわててセシルに言うと、セシルはしょうがないなと説明する。

 「シグマ・ハートネットといって今ハイヴヘイムでは人気なのよ。
  それに彼もノヴァだし、成績ではダントツ。とにかくハンサムでね」

「そ、そうなんだ」


「何も知らないとはいえ、ティアは知らなさすぎよ」


セシルにいわれ、ティアは苦笑するしかなかった。




――そういえば、あの人との約束‥。




「‥この聖月祭って主催はロード館長なんだよね?」

「そうだよ。どうしたの?」



――もしかしたら館長だったら、少しだけでも許してくれるかもしれない。


「ロード館長は今どこに?」


セシルはうーんと悩んだ。

 「ここでは見てないから・・館長室にいると思うけど――ってちょっと!?」





それを聞いたとたん、ティアはハイヴヘイムへと向かう道へ駆け出した。

 「ご、ごめん。ちょっと待ってて!」


そういって花畑の間を掛けていくティアを見ながら、ほっとセシルはため息をついた。

 「――ティア、最近どこか変だよ・・」


小声は、世界樹のかさかさと鳴る葉音でかき消された。



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またまた バトンです;;

バトン

Q1 初めまして。あなたのお名前は?
A1 ナギサ ヒナタです。
Q2 とてもいい名前ですね。
A2 どもです(^^*)
Q3 では、早速ですが、行きますね。
A3 はい。
Q4 もしも、好きな人が入院してしまったらあなたはどうする?(その人が動ける場合)
A4 メールで容態を聞く、必要なもの持って逢いに行く。
Q5 もしも、好きな人が入院してしまったらあなたはどうする?(その人が動けない場合)
A5 見舞いにいけるなら逢いに行く。
Q6 もしも、好きな人が記憶喪失になってしまったらあなたはどうする?
A6 泣くかな。。でも人前では泣かないようにする。笑顔でいる。
Q7 もしも、好きな人に彼女or彼氏がいたらあなたはどうする?
A7 気持ち伝えるまでは諦めない(諦めきれない?)
Q8 もしも、好きな人が自分の親友を好きになってしまったらあなたはどうする?
A8 出来る範囲内で見守る。
Q9 もしも、好きな人が余命1ヵ月だったらあなたはどうする?(その人が動ける場合)
A9 好きなことをしてあげたい。
Q10 もしも、好きな人が余命1ヵ月だったらあなたはどうする?(その人が動けない場合)
A10 見舞いに来て眠っていたら手を握って手紙を置く。
Q11 はい。以上です。
A11 お疲れ様でした。
Q12 短かったかな?長かったかな?
A12 もう悩んだよ。。orz
Q13 もし、よかったら感想を書いてくださると泣いて喜びます
A13 書いてみたら意外と内気だなぁと思いました(^^;;)

このバトンに回答する / 回答した人を見る

もしも。。のバトンです。
よかったらやってみてくださいね(^^*)

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ブルーローズのコサージュ☆ミ

画像やや大きいですが、気にしないでください(^^;;)

コサージュにしようか、髪留めにしようか。。
かなり迷いましたが、結局どちらでも使えるようにしましたw


バラの作り方は、こちらから見ていただくとわかりやすいと思います。
アトリエというサイトで、いつもこちらにお世話になっていますm(_ _)m


ブルーローズ、コサージュ

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久々にバトンしてみました。

約束の場所でもう一度バトン

Q1 目覚めた時は、
A1 目の前に夜空が広がっていた。
Q2 忘れてしまったモノ、
A2 でも思い出さなければ。とても、とても、大事なもの。
Q3 散らばった記憶の欠片たち、
A3 探しにいかなきゃね。
Q4 探し物はどこにあるのか、
A4 見つからないともう戻れなくなってしまう。
Q5 歩き続けたその先に、
A5 あの人がいた。
Q6 最初から分かっていたんだ、
A6 違うと思いたかった。でも、本当は。。本当はね・・。
Q7 2度目の奇跡を信じて、
A7 今度こそ。。本当のことを話すよ。
Q8 やっと見つけた、
A8 とても大事な人、大事な約束。
Q9 この場所でもう一度、
A9 会えたから。だから、聞かなきゃいけない。ずっと一緒にいてもいいかどうかを。
Q10 これにて終了です! お疲れ様でした^^
A10 お疲れ様でした☆

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小説の更新はちょっと延期していますが、もう少しで更新できると思います☆
お待ちしていただいている方には申し訳ないですm(_ _)m

バトン気になって久々にしてみました。

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Mission11# ハイヴヘイム/ミッドガンド――惹かれる心―― 2/2

〈ミッドガンド――砂漠ミリカにて 〉




朝日に照らされながら、イリスはコトノハを取り出した。
コトノハはまだ卵だ。
見た目はどうみても卵だが、これがオートマタだというのだから最近の科学はすごい。



「潰れなかっただけましか‥。あの時は冷や冷やしたけど」


そう一度このミリカの地下湖に落ちた時にはコトノハが壊れたと思ったのだが、思ったより傷一つない。




「‥あいつにまた会いたいな」


イリスの話しかけに殻が少し動く。

「なんだ、お前もか?」



少し卵にヒビが入ったと思えば、大きく割れ中から蒼い小鳥が姿を現した。
身震いしパタパタと飛び回る様子は、本物の鳥とそっくりだ。
イリスはそっと手を出すと、コトノハはイリスの指に留まる。


「すごく‥惹かれるんだ、助けてやっただけなのに‥」


『誰が惹かれるって?』



急にコトノハがくちばしを開き、聞いたことがある声にイリスはワッと声を上げた。




『俺だ、マットだ。ったく、始めに言っただろ!ちゃんと話しかけとけって』


「話しかけたって」

『なんか言ったか?』


「何でもない」



『まぁいい。それより、イリス赤毛の少女は見つかったか?』

「いや、まだだけど‥」


そう言いながら、イリスは胸のポケットから写真を取り出して見てみると、何度か見たはずなのにどこかで見たようなそんな気がしてならなかった。
ふと浮かんだのは、あいつの‥ティアの横顔だ。


――なんであいつの顔が浮かぶんだよ。



『そうか、まだならいいんだが、今どこにいる?サイコエネルギーは大丈夫そうか?』


「今ミリカの宿にいるけど、すぐにサンセットに向かうよ。まだサイコエネルギーも盗られていないし」




胸騒ぎで鼓動が高まりながらもイリスはマットにばれないように答えた。



『サンセットっていや、お前の町じゃないか。まぁ、たまには帰ってもいいが、任務忘れるなよ?』

「わかってるって。マットこそ大丈夫なのか?」


『‥まぁな。俺は今ミリカの外れにいるが、今度、水の街ミシシカで来週末にセシルのコンサートが開かれるそうだ。良かったらお前も来い。近くにいるかもしれないからな。それじゃまたな、イリス』


コトノハは通信を終えるとくちばしを閉じて、なにごともなかったかのように羽繕いをし始めた。




「ティア‥じゃないよな‥‥?」

イリスはもう一度写真を眺めた。ティアは髪が栗色だったはずだ。しかし、眼の色は‥薄ピンク、色が同じ。



――俺がパラディンと知ったら、あいつどうするかな‥




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Mission11# ハイヴヘイム/ミッドガンド――惹かれる心―― 1/2


食堂にて――。

「あら、お帰りなさい。今日は栗色の髪なのね」



食堂で声をかけたのはウェイトレスのシルベットだった。

「ただいま」


シルベットが座るテーブルにティアが座ると、面白いものを見たようにシルベットはくすっと笑った。

「ええっ、なんで笑うの??」



「今日はすごく幸せそう。行き先で何かあったの?」

図星であることに確信を持たせるように、ティアの顔は少し火照った。




「この際だから言いなさいな。聞いてあげるよ、誰にも言わないって約束するから」


ティアは行き先で助けてくれた青年の話をシルベットに聞かせた。

「――助けてくれた時、手をつないだ時、なぜかドキッとしたの。
それからなんだか、体がおかしくて‥。
彼の仕草を見る度、話す度に、鼓動と一緒にいたいという気持ちが大きくなってきた。
顔も熱くなるし‥変だよね‥、ここのみんなと居るときは何ともなかったのに」


「それって恋ね」

「コイ‥?」


「一緒に居たくてしょうがなくなるの。その人だけは傷付けたくないって、ね」

「恋ってみんななるの‥?」



シルベットはにっこと笑顔だ。


「誰でも、みんな一度や二度‥ね」

「一度や二度‥?」



ちょうどその時、厨房からまたシルベットを呼ぶ声が聞こえた。


「はいはい、わかってます!まったく、いい時に邪魔するんだから、あの人は!
ごめん、ティア。また聞かせてね」



ティアは館長室に入り今回の調査を報告し終わると、<初めの園>へ歩いていた。
いつもならここへ来るたび、リラックス出来るのだが、今回ばかりは違っていた。
気がつけば、ずっとあの人のことばかり考えている。



――あの人‥、今どうしているのかなぁ?


朝日が上り辺り一面を黄金色の光が包み込むと、花の中で眠っていたスプライト達がフワッと空に舞う。


「ティア、お帰り」



しかし、ぼーっとしていたためにティアは話しかけられたことに気づいて慌てて、ただいまと遅れて話しかけた。


「今日、ちょっとヘンだよ?」
「ヘンだね?」


「ご、ごめんね。ぼーっとしてたから気づかなくて」



「ティア、いつもより顔赤い」



そう言われて、慌てて顔を隠すティアにスプライトはキャッと笑った。



「可愛いね」


「そ、そんなことないって」



「いつもよりヘンだけどカァーイイよ?」
 「カワイイだよ」


手で覆っていた顔を少しだけ見せて、ありがとうとティアは言った。


 「でも、やっぱりヘンだよ?」



そういわれて、ティアは苦笑する他なかった。


 ――あの人ならなんていうかな・・?



約束は5日後の夕方――。
しかも、その日はちょうど舞踏会が開催される日だ。

ちょうど『昼の月』と『夜の月』が入れ替わる時間‥。


――少しくらいなら、抜けてもいいよね‥?



世界樹の葉が風に舞って、サワサワと鳴いた。


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