うぐいす色の実

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高嶺の花。

どういうところが好きなのか・・。
あの人は、私にないところをたくさん持ってる。
私にはできないことができるから。

私は無理したら持病が出てくるから、
したくてもできない時だってある。
そして、つくづく話すのが下手だと思う・・。
冗談がなかなか言えない、
冗談を言われて冗談だって気づかないことだってさえある。


やっぱり、高嶺の花なのかな・・?
あまりにも違いすぎて、話しかけられない。
見守っていたら、ふと彼にとっては他の子が好きなのかもしれないと思ってしまう。
私よりも他の子を選ぶのかな・・って。


私にとっては大事でも、
向こうにとってはどう映っているんだろう。
これは私だけの痛みなのかな・・。
私が行ってきたことはとても小さいことだから、
きっと覚えていない。

よかれと思ってやってきたけど、
やっぱり小さすぎたのかも・・。
人によってはどうでもいいことだから、いつもそこにあるって感じてしまうから。
だから忘れていてもおかしくない。


いつも傍にいるわけじゃないから・・。
君が普段のどんなことをしているかわからない。

会えない、傍にいられない代わりに見守っているだけだから。
あとはただ一人で泣いていたり。
こんなことしていて何も報われないことはわかってるけど・・。
邪魔にだけはなりたくなくて。

もっと・・こうなる前に言えたらよかったんだけど・・。
今欲を出しちゃうと、気づいて欲しい。
とても無理な願いだけど気づいて。

今でも、人気のないところでこぼれ落ちる。
今もあの時の勘を忘れてない。
あの時の直感は本当だと信じてるから。

でもこのままだと、
この想いもいずれはなかったことになるかもしれないよ・・。
なんの根拠もなく信じながら明日を迎えるのは本当に怖いことだから。

余命が迫っているような感覚になる。
だから・・、もし異性じゃなくて君と同性ならもう少し早く仲良くなれたかもしれない。
今はそれも簡単に望めそうにないから・・。

人前で泣いたらきっと困らせるだけだろうから。
必死に涙を拭くよ。
必死に苦しいこと隠して笑顔だけみせるよ。
きっと大丈夫だって、自分に嘘をついて。

いつか笑顔が嘘に変わるときがくるのかな・・。


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フラッシュ コイ?金魚?の餌やり☆

小説でもなんでもありませんが、
フラッシュを見つけました^^

餌を上げなくてもなぜか付いてきますw
クリックすれば、餌あげられます☆






このフラッシュが欲しい方は、こちらからサイトへ行けます。

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◇◆ノンフィクション◆◇について。

新しくカテゴリーに、◆◇ノンフィクション◇◆ができました!

今までの長編小説と短編小説とちょっと違うので、
    ◆◇ノンフィクション◇◆について簡単に説明しますね(^^*)


◆◇ノンフィクション◇◆は、ナギサが日常起きたことの中で想ったことの出来事を
詩(?)に近い形で徒然と書いていくコーナーです☆

※小説ではありませんので注意してください※


今までは小説とは別物扱いとして別のサイトの掲示板に書いていたのですが、
徒然と書いていく中『花とアリス』もここで生まれたことで
何か新たな作品が生まれることと誰かの助けになるかもしれないということで今回載せることにしました。

印象に残った出来事を書くので日々の移ろいのためややマイナス思考になるかもしれませんが、
そこは多めにみてやってください(^^;)


それでも全然大丈夫!という方はご自由に観覧くださいね☆


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うつり世。

ちょっと遠いところから君を見る。
見つけた。
ちょっと視線をそらす。
でも見ていたい。


もう一度見る。
また視線を別に向ける。
今度こそ、そう思ってみたら君はいない。
がっかり・・。

そんな日を繰り返して。。
ふと君と目が合った。
不思議と何も感じない。
怖くなって目線をそらした。
気づいていない・・ふりをした。


通り過ぎていく君を
視界のぼんやりとした世界で見つめる。
本当は――。
おはようと気軽に声かけて傍にいたい。
たわいない言葉を交わして、じゃあねと別れる。

そんなバカみたいなことを夢に見る。
夢が現実に変わるのは遠く。
もし男性であったら・・近づけた?
そう思った。
なら本当に男性であってほしかった、そう最近はよく思う。
いや、昔からか・・。

自分の手を眺めて思う。
いくら内面に変化があっても、変わらないといわれて。
でも確かに私の時間はあの時から止まったままだ。
夢に映るのはあの時から時間が変わらない。
姿も背丈も・・あの時からあまり変わらない。
周りは変わっていくのに・・。

私だけ時間の中に取り残されたみたい。
時計の針は進まないまま。
それでも、想いだけは捨てられなくて・・。

消えちゃいけない、まだ聴いてないから。
そう想っているのに私がいない世界を想像してしまう。
想いは強いのに、不安定だから・・。
でもね・・、ちょっとだけ進んだんだよ。
変わらないものだと想っていたものが貴方に逢って・・・。
そのおかげで救われたから・・。
例え、その目に映るものがすべて同じじゃなくても。

私には願いがあるよ・・。
どうしても叶ってほしい願い。

願えば、叶うから。

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Mission16# ミッドガンド――朝の目覚め―― 1/1


イリスが目を覚ますと、コトノハのさえずりが忙しい。

「どうしたんだ?何か‥――」


『君、イリスの?』

急にコトノハからティアの声が聞こえ、驚いて言葉を失った。



――ティアもコトノハを持っているのか‥?

しばらく間が空いたが再びティアの声が聞こえ始めたことで
これは録音だと言うことが分かった。


『私は側に居られないから。でもせめて、お礼言いたかったな。あと、さよならって...』

コトノハはそのとたん飛び立ち、どこかへ潜り込んだのかティアの声が遠のく。

『次に会うときは‥‥』

また間が空く。

『元気でね..イリス』



メッセージはそこで終わっており、メッセージを伝え終わるとコトノハは大人しくなった。
ティアにコトノハの存在を教えたことはなかったが、
コトノハを見てティアもイリスと同じく録音機能がついていることを知らずに話しかけたことを知った。


「お前、音声録音出来るのか?」

コトノハは頷く。
「でも、どうやって?」


コトノハは首を傾げていた。
イリスの質問に対してわからないというよりも、質問の意味がわかってないようだ。


「これは‥マットに後で聞くしかないか」

――さよならってことは、出て行ったのか?



急いで一階へ降りようと靴を履いたが、
不思議と心身共にだるさは無くなっていて心も体も身軽になっていた。


一階へ降りると、母が朝食の用意をしていた。


「母ちゃん、ティア見てない?」


「ティアちゃん?昨日の夜、イリスの部屋に行くって言ってそれからは見てないわ。何かあったの?」

母に詳細を隅々まで話したかったが、極秘の任務もかねて話しにくい。


「ティアが夜訪ねにきたんだけど、疲れてしまって先に俺が寝ちゃってさ。
朝起きたら伝言だけ残ってて、急ぎで次の街に行くからって帰ったみたいなんだけど」

「そうなの‥、一声かけてくれたら良かったのに。残念ね」



「母ちゃん、こういう時に悪いけどしばらく家を空けるよ。いつ戻れるかはわからないけど」

「それはかまわないけど、イリス、帰ってくる時はマーサにちゃんと連絡しなさい」


「はい‥」

リビングの席につき、マーサ叔母さんとジル叔父さんがリビングに来るまで待った。
今日は昨日のシチューとパン、チーズ、サラダだった。

あとでマーサ叔母さんやジル叔父さんにティアのことを話し、続けて家を空けることも話す。


相変わらずマーサ叔母さんは、パラディンのことになるとあまり良いようには言わなかったが、
気をつけるようにと話し始めた。


「最近ノヴァのことも聞くけど、パラディンにも注意しなさい。いい?
パラディンを嫌ってるから言ってるんじゃないのよ?上に注意しなさい」


どういうことかマーサ叔母さんに聞くと、代わりにジル叔父さんが答えた。

「油断してはいけないということだ。
組織というのは従わなければならないが、自分の考えと混在させるなよ。何が正しいか見極めなさい」

「分かったよ」



その場にいるのが居心地悪くて、すぐ自分の部屋へ戻り支度をした。


しかし、ジル叔父さんの言っていることは正しい。
任務のことを思うと気が滅入るが、ふとどうしてこんな任務が出たのか不思議だった。



「‥マットのとこへ行くか」

――マットなら何か知ってるかもしれない。

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花とアリス(9)

水くみをしていると、傷痕の手を見つめる。
いつ怪我したんだろう?

わからなかったら、花が教えてくれる。


中でも不思議なのは茎にくくられたリボン。
すごく懐かしい。

花にとって大切な人が
お礼にってくれたんだって。

私も会ってみたいと言ったら、少し悲しそうだった。

離ればなれになったのかな?


私は元気になって欲しくて、花びら綺麗だねと言ったら
嬉しそうに私を見てくれた。

茨の道から戻ってくると、怪我してないかどうか聞かれた。
大丈夫だよ。
そう言って微笑んだ。


雨が降れば葉の下で花が大切な人の話をしてくれた。
始めは興味があって聞いていたけど、少し不安になった。

大切な人がいるなら、私がここにいてもいいのかな?


そのことを話すと、花はいてもいいよと答えた。
それでも正直不安だった。


大切な人がくれたリボン。
じゃなぜ、懐かしいと思ったんだろう?

そんなはずがないのに‥。


花に聞きたくても聞けないこと。
でも一度試してみたいことがあった。

リボンを借りて一度髪をくくってみたいと花に聞くと、
花は驚いたが「いいよ」と答えた。


リボンを丁寧にほどいて、
髪を後ろに束ねリボンでくくる。
すると、急に過ごした時間を思い出した。



「守ってくれてありがとう」
大粒の涙があふれ、花の茎に寄り添った。

「思い出したよ‥。
名前は‥貴方に付けてもらっていいかな?」


「でもそうしたら‥帰り道がわからなくなる。
キミはキミの世界に帰れない」
花は心配そうに答える。

「もういいの、帰れなくても。半分はもうここの住人だから。
名前さえあれば住人になれるしそうなったら、ずっと傍に居るよ」
私は涙を拭って花に微笑んだ。

花は私がルールを知っていることに驚き、
どこで知ったのか聞いた。

「あの子から聞いたの。
あの子はこの世界の私で私が間違って来たことで
バランスが崩れたみたい。
貴方はどうしたい?花の傍にいたい?って聞かれて。

傍に居たいって言ったら、
思い出したら名前を貰いなさいって言われたの」



「本当に‥いいの?」
花がそう聞いてきて、私は微笑んで頷く。

「アリス‥でいいかな?キミと初めて会ったとき、
キミがアリスみたいって言ってたから」

「アリス‥良い名前だね。不思議の国のアリスと一緒」


花はキョトンとしていた。
不思議の国のアリスの話を知らないようだ。

私はクスクスと笑った。


「不思議の国のアリスという物語にアリスという女の子が
不思議の国に迷い込むお話。
私も初めはこの世界に迷い込んだからその女の子と重ねたの。

みんなはその名前が私の名前と勘違いしたのね」


「他の名前の方が良かった?」
花は慌てて私に言った。

私は首を振る。
「素敵な名前をありがとう。リボンはもう一度茎に結ぶね」

髪にくくったリボンを解きながら、
もう一度茎に結び直す。


「ねぇ、アリス。その物語教えて。
名前の由来知りたいから」

「だけど、記憶が曖昧だよ?正確じゃないけど‥それでもいい?」

花は頷き、花びらに近い葉に私を乗せて持ち上げた。

不思議‥前まであんなに距離があると思っていたのに、
今はこんなに近い。

嬉しくなってついつい笑みがこぼれる。


「昔々、アリスという女の子がいました‥――」
ウサギを追いかけて、
穴に落ちて不思議の国にたどり着いたアリス。

こちらのアリスは元の世界へ戻れた。

でも、私はこのままでいい。
私の帰る場所はここ――花の傍。

貴方の傍が私の帰る場所――。


―――――― END ―――――――

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花とアリス (8)

上手く逃げられたらいいな‥。

壁も床も棘で覆われている茨の道へと駆け出し、
隙間の間を急いでくぐり抜けた。

ヘビは噛みつこうとしたが、
茨の棘が阻み、その棘の間を器用に這ってくる。

必死に逃げていたせいで、手足が傷だらけになり
余計ヘビをおびき寄せる要因になった。


せめて‥この茨の道を抜けるまで。

逃げられる限り茨の道へ、
ヘビを誘導し最後の茨をくぐり抜けた。


目の前にはあの花。
花は何事かと、私の方に花びらを傾けた。

そして、ヘビの口頭だけが茨から飛び出し、
私に噛みつこうとした。
しかしこれ以上
茨の棘で届かないことが分かると諦めて戻って行った。


逃げ切れた‥?
安堵してホッと胸を撫で下ろした。



『もう少しだったのに』
聞き慣れた声がして振り向くと、あの子が立っていた。

『でも、もう遅い。記憶貰うぞ』
あの子の姿が黒いヘビに変わり飲み込もうと飛びかかってきたが、
途中で見えない壁がヘビの行く手を遮った。


ふとポケットの中の花びらを
取り出すと、
金色の光が輝いて何度もヘビの攻撃を防いでくれた。

『あの花のせいか』


傍にいる花はいつもより自信に満ちて大人びて見えた。
堂々と立つ花の様子をみて、涙が零れ落ちる。


『まずはお前からだ』
ダメ!
そう強く願った。
すると、リボンが一瞬光を放ちヘビは花に飛びかかったが、また攻撃を跳ね返された。
今度はヘビの方がダメージを受けたらしく
ヘビその物がかすれ始めている。

『お前も道連れだぞ‥、アリス』


少しずつ花と過ごした記憶が薄れて行く。
私は必死に思いだそうとするが、忘れていく速さに追いつけなかった。
ふと、花の茎にくくったリボンが目に留まる。


そのリボンに手を触れ、花に尋ねた。
「私がすべてを忘れたら、名前をつけてもらっていいかな?その時は過ごした時間を私に教えてね」

花びらが一枚落ちてそこには『いいよ』と書かれていた。

花びらに向かって微笑む。
「きっと思い出すから。待ってて」


ヘビは消え、後を追うように最後の記憶も思い出せなくなった。

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花とアリス(7)

茨の道がなくなり、
草むらへと迷い込んだ。
カマキリがチョウを捕まえ、
急に道を進むことが怖くなった。
あの花に動物が寄らなかったのは茨の棘のせい。
だから、チョウ、ハチ以外にあの花には寄らなかった。

守られていたんだ‥。
少しでも花のことを思うと、
寂しくて逢いたくて
涙が零れてきそうだったが
グッと我慢した。


帰らなきゃ‥。
そのために、別れたのだから。

夜になり、
一層闇が深くなった。
葉と葉の間に身を寄せた。

日が昇ると近くで
長い胴が横切り、
息を潜めじっと耐えた。
どうやらヘビらしい。


危険が去った後で、
ふとポケットに手を入れ
折りたたんだ花びらを
取り出した。
これは誰に貰ったんだっけ?

一瞬、誰に貰ったか忘れそうに
なって驚く。
どうして‥?


‥‥ああ、そっか。
こんな風に
帰り道を忘れたんだ‥。

とにかく帰り道を
思い出さなくては帰れない。

まだあの綺麗な花のことは
覚えてる。
忘れる前に戻らないと‥。


『元の世界に帰らないの?』
急にあの子が現れた。
このままじゃ帰れないよ、帰り道覚えてないから‥。
『あの花の所に戻るつもり?』
ええ、そのつもり。
私はそう答えた。

『バカね、別れたばかりでしょう。もう忘れたの?』
あの子の声が冷たく突き刺さった。
『あの花の所へ帰ったところで、またそっぽ向かれるわよ?』
それでもいい。
あの花を忘れるくらいなら‥それくらい我慢するよ。

『好きにしなさい。でも後悔するわよ』
あの子はそう言い残して消えていった。


覚えている限り、
反対方向へ歩いていった。
動物には見つからないように
草むらをくぐり抜ける。

花びらを時々見ては、
楽しかったこと辛かったことを
思い出す。


もう名前は覚えていない。

でも自分がわからなくなる前に、何としてでも花の前に着きたい。あの花ならきっと
私がわからなくなっても教えてくれるはずだから。

前方に見覚えのある
茨が見えてきた。


急いであの道に
向かおうとしたが何かがおかしい。
異様な静けさに鋭い空気が
辺りを覆う。


後ろを振り返ると、
すぐ側に体を起こしこちらを狙っているヘビの姿が目に映った。

おそらく、今朝のヘビだ。
あんなに気をつけていたのに。


ヘビの視線は
撃ち抜くように鋭かった。

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花とアリス(6)

最近雨が多い。
雨を見ながらうとうとしていた。

目の前にあの子が現れる。

『どう調子は?』
まぁまぁ、そう曖昧に答える。
『でしょうね、それも貴方が悪いのよ?貴方が離れたりしたから』

どうして貴方は離れたの、あの子に聞いた。


『疲れたのよ、一緒にいることがね。貴方はどうなの、アリス?』

一緒にいるのは好き、でも上手くいかない。
何をしてもそっぽ向かれてしまう。
嫌われてるのか、好かれてるのかわからない。最近は特に‥。

『素直じゃないのよ、わかってあげて。本当に好きなら自由にしてあげて』
少し不快になる。でも、あの子の話すことは正しい。
これは私が悪いの?私が受け入れないから?

『そう、貴方が悪いの。でもね、人は完璧にはなれない』
どうしたら受け入れるようになるの?、そう聞いた。

『これは貴方自身の問題、いえ私達ね。簡単よ、アリスのいた世界に戻ればいいの』
戻る‥?



目が覚めた。
そういえば、どうやってこの世界に来たんだろう?

『あの花が言っていたわよ。貴方は弱い子だって』
あの子の声がこだまする。
私が弱いから‥?

ふと思い返す。
この花に近づいたのは
私が気になったからで、綺麗だったからで‥。

こんなの思いを
抱いていたのは私だけ‥?
何かしていても
実際喜んでいたと思っていたのは私の勝手なエゴ‥?



花に聞いてみた。
毎日だけど水やりして貰って嬉しい?
私ここにいても良かった?

花びらは
こちらを向かなかった。

ひどく重い風が吹く。
『本当に好きなら自由にしてあげて』
風の音があの子と重なる。


ごめんね‥。
色々かばってくれてありがとう。私、元の世界に戻らなきゃ‥。

花は驚いて、私の方を向いた。
花の方が焦っていた。

私、この花びらが好き。
どこか優しい色をしてる。
貴方といると安心する。
でも‥今思い出したんだけど、
私迷子になってるの。
帰る場所があるなんて言って
ごめんね。

本当は‥帰り道を探していたの。結局見つからないまま、
思い出せなくなってたけど。
今は名前も思い出せない‥。


花の茎に寄って
棘のない部分を触った。

弱いからだよね?
忘れてしまったのは‥。
今日はもう少し遠くまで‥。
ここへ戻ってこれない
かもしれないけど。


髪を結んでいた
リボンの片方を茎にくくる。

こんな物しかないけど、
あげるね。
いつかの花びらのお礼。


花は今までよりも長く
私を見ていた。
いつもより寂しげで悲しそうだ。
そっぽを向いたのは私からだった。

とても花びらを見ていられなくて今日はそのまま茨の道へ歩いた。



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花とアリス(5)

水をあの花の元へ。
土は乾いていた。あの花に元気がない。

元気出して、そう思って水をあげる。
これまでのことを話した。
でも、辛かったことは口に出したくなかった。
あまり悟られたくなかった。

茨の棘を上手くよけれるようになったことも話す。


花は私に珍しく花びらを向けた。
手や足を見せると、ゆっくりそっぽを向いた。
悲しかった。
でも、これで触れるようになったよ?
花びらまでは届かないけど。

あの時と変わらず、やっぱり君はそっぽ向いたままで。
アリスは乾いた土に水を上げる。


突然涙がこみ上げてきた。
びっくりして葉の裏へ隠れる。
あの子はもういないから私がしっかりしなきゃ・・。

水を汲む。
そしてその帰り道、再び茨の道でこけた。
水はこぼれなかった。

葉の裏に隠れて傷口を消毒した。
大丈夫、傷はスカートで見えないはずだから。
花びらを見上げると、やっぱり綺麗。

ちょっとは元気になってきたようだ。
よかった、そう思って微笑む。
『あの花が言っていたわよ。貴方は弱い子だって』
同時に、あの子の言葉が永遠とリピートされる。


私は・・傍にいてもいいのかな?
とたんに不安になる。
心配ばかりかけてしまう自分に。

心配になったのか、花びらが私に向いている。
にっこり微笑むとあわててそっぽを向いてしまう。


好きだよと伝えたいけど・・。
でも、私の声は届かない。

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ブログ新しくなりました☆

お久しぶりの情報ポストですw
    ブログ新しくなりました(^ω^)ノ
ナギサも普段と違うブログに困惑してますが、
しだいに慣れるはず。。w


ほとんど気まぐれに更新している小説ですが、
    度々観覧しに来ている方々いつもありがとうございます☆

 ―→スランプに陥らなければ、今後も続けるつもりです^^

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花とアリス(4)

あの花とあの子の噂が広まる。
あの子は毎日、あの花と接してる。

あの子は私では
叶えられなかったことをしてくれてる。
それで、あの花が幸せなら・・・。


でも胸はひどく痛む。
痛くならないで、もう決めたこと。
水遣りはあの子の仕事、あの花へ近づけるのもあの子だけ。

手と足の傷は日に日に良くなる。
でも心は・・・。


少し用事があってあの花の前を通った。
やっぱりいつ見ても綺麗な花びら・・。

でも、花びらはあの子に向いている。
一瞬私の方を見た気がしたけど、気のせいに違いない。
前よりか上手く棘をよけられた。

ね、前よりも怪我しなくなったよ。
小さくたたんだ花びらを見て微笑んだ。


またあの子とすれ違う。
『どう怪我の方は?』
前よりよくなったよ、そうあの子に話す。
『それはよかった』
ふとあの子の手足を見る、怪我はない。
『私の方がいいのかもね』
貴方は私より強いから、そうあの子に話して通り過ぎる。

一瞬あの子が笑みを浮かべた気がした。
でもわからない。
今は・・どうでもいい。
あの花さえ幸せなら。

でも、そのたびにひどく胸の奥を揺らす。
違う・・でも本当は、ほんとうは・・。


あの花とあの子の噂が途絶えた。
花たちも静かだ。
おかしい・・。

そう思って、花たちに近づく。
『あら、アリス』
『久々に水いいかしら?』

驚いた。急にそんなこといわれるなんて。
『あの子、あの花から離れたのよ』
『あの子はここに来なくなったから』


久々に水を運んだ。
すごく重かったけど、今は嬉しい。
役に立てて、そう思う。

あの花、会えるかな?
会える理由ができたから。
でも、どうしてあの子は?
どこへいったの?

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花とアリス(3)

しばらく、あの花に会ってない。
会いたい。

けど虚しいほど、空は広い。
何度も上を見上げてしまう自分。
とにかく気を紛らわせるためにいろんなことを試した。
でも、寂しさはすぐ後ろに迫ってくる。
私が甘えているだけ・・・。
いつしか足元の傷は薄く、手の傷もなくなった。

今日こそは水あげにいかないと。
そう思って組んできた水。
でも、みんなの根元はもうすでに濡れていた。

『久しぶりね』
『もうあの子から水をもらったから十分よ』

そういわれて驚く。
あの子?
『髪が黒々してるのよ。でも瓜二つ』
『そういえば、今頃はあの花にもあげてるのかしら』

世界のすべて止まったよう。
何も聞こえず、何も見えない。
あの花の元へ、急いで向かった。
また茨の道で足や手には傷がつく。

私がいなかったから?
私が疑ったから・・?

目の前に懐かしい花びらが目に見えたとき、
花の先にはあの花から一枚の花びらを受け取り嬉しそうに微笑む黒髪の少女にあることを知った。

思わず水を落として、草陰に隠れる。
あふれる気持ちが治まらない。
思わず手足を見る。
以前よりもひどい色。あの花びらの色と同じ色なのに。

そっと茨の道を通りぬける。
誰にも見つからないように。
誰にも見られないように。


急に雨が降ってきた。
ひどく傷に雨がしみる。

もう必要じゃない・・?
水も?傍にいることも・・。

雨があがると、あの子とすれ違う。
『どうかしたの?』
そう聞かれて目をこすり、なんでもないからと首を降る。
『足と手、大丈夫?怪我をしたの?』
すぐ治るから大丈夫、そう自分で言い聞かせるように。

『うそ』
あの子が急に耳元で囁く。
『本当は泣いてたんでしょ。貴方のこと知ってるんだから』
どうして...?
あの子はまた囁く。
『あの花が言っていたわよ。貴方は弱い子だって』
驚いて言葉が出ない。
『大丈夫。私が貴方の代わりになってあげる』
そういい残して。


弱い・・?
本当にそう言ってたの?
じゃなぜ..あの時、花びらをくれたの?
なぜ優しくしたの?

アリスは小さくたたんだ花びらを見つめた。
綺麗な赤、自分の今の手の色と同じ色。

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花とアリス (2)

雨が上がって外に出た。
花びらは開き、しずくがキラキラ輝いて綺麗だった。
でも、君はそっぽ向いたまま。


土はあれだけ水分を含んだはずなのに、
少し正面が乾いている。

私は水を汲みに行く。

あの花だけじゃなくて、他の花にも水を上げにいく。
正直、みんなどれも綺麗だった。


『あの子よくわからないのよね』
『あまり一緒にはいられないもの』
『あの子に会うには茨の道を通らないといけないもの。
 私たちじゃ無理よ』

そう口々に、みんな話す。
もっと何かを話していたような気がするけど・・。

どういうこと?
よく聞くと、面白おかしそうにあの花のことについて、
花たちがみんなで話していた。


『ねぇ、貴方には好きな花ある?』
「私は・・」

『もしかしてカーネーション?』
「違うよ」

『もしかしてブルーベル?』
「違うよ」

『もしかしてあの子?』
「・・違うよ」


水をあげながら嘘をついてしまった。
あの花は傍にいないのに、自分自身がひどく傷ついた。

或る意味、手や足の傷よりも。


「じゃ、私は水を上げに行くね」


バイバイという言葉が聞こえなくなると、
もう一度水を汲みなおす。

水がしみたけど、ひどく音が聞こえにくい。


茨の道を通りすぎようとしたとき、
足元の茨に気づかなかった。

「あっ!」
声と共に水は散らかり、こけてしまう。
ひどく左足が痛い。

みると茨の棘で切り傷ができていた。
それよりも、すぐに手元をみて水がないことに気がついた。
あわてて水をくみに戻る。
やっとこの花に水を上げたときには、昼過ぎだった。

足元の傷はもうふさがっていた。


今日はなんだか疲れた。
花びらを見上げると、今日は珍しくコチラを向いていた。

少し嬉しくてにっこり笑うと、いつもと同じくそっぽを向く。
根元にいたかったけど、今日はそんな気分にもなれない。


仕方なく、この花から離れた。
花は少しだけアリスの方を向く。
少し心配気だったが、アリスは気づかなかった。

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Mission15# ミッドガンド――Good Bye..―― 2/2

廊下の一番突き当たりの扉を目指して進み、ノックをした。

返事が返ってきて、恐る恐るドアを開けた。

目の前に部屋はなく階段が続いていたが、
階段を見る限り階段の奥に部屋が続いているようだ。


階段を上がると、右側に屋根裏部屋が広がり天井はやや斜面状になっていた。




「ティア?」

イリスはベッドに寝転がっていたのか、ティアを見た途端飛び起きた。



「ごめん、寝てた?」

「いや、大丈夫。それより、ティアの方は?」



「おかげで元気になったよ」

「そっか」



イリスは言葉の割にうとうととしていて、気を抜けばすぐにでも寝そうだった。



「この部屋いいね。天井に窓があるから、星が綺麗に見える」

「この部屋の取り柄は天井窓があることくらいだ」


昼間は陽が当たって暑そうだが、
夜はそれなりに星を眺めながら、眠れそうだった。




「そういえば‥――」

そう言いかけて、イリスを見るといつの間にかぐっすり眠っていた。
いろいろな疲れが溜まっていたせいだろう。


――せめて..

イリスの側により手を触れると、ケアを使いイリスの心身の疲れを癒やした。


――何も出来ないけど、お礼ね

すると、イリスの懐から小鳥のようなシルエットが飛び立ち、ティアの手に留まった。

驚いてよくその小鳥を見ると、
オートマタらしく、ただその仕草は本物の小鳥と間違えそうなくらいによく出来ていた。




「君、イリスの?」

小鳥は首を傾げて、ティアを見る。



「私は側に居られないから。でもせめて、お礼言いたかったな。あと、さよならって...」


小鳥は再び飛んで一回りしたあと、イリスの懐に戻った。



「次に会うときは..」

ティアはふと、壁にかかっている時計を見た。
夜の9時を指し示し、夜のとばりはとっくに下りている。

ティアはイリスの手を握り一瞬だけ強めて離した。



「元気でね..イリス」


心の中で呪文を唱え、零れる涙を元にハイヴヘイムへと道を繋げてイリスの部屋から姿を消した。
こぼれた最後の一滴の涙がイリスの手の甲に零れ落ちた。


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花とアリス (1)

茨の小道に迷う。


綺麗な花びらばかり見ていたら、足元は血に染まる。
今は恐る恐る頭上で開く花びらを見上げながら、
足元にも注意している、そんなアリスみたい。


きっと助けてあげるから..。
でも、自分はそこまで強くない。

どうしたら、頭上の花びらまで手を伸ばせる?


あの花、好きなんだけど、どうしたら届くんだろう?
私がきたらそっぽ向いちゃうのに。
私が別のことをしてたら、私を向いて咲いている。

この前、一枚だけ花びらをもらった。
とても綺麗で私は好きなんだけど、私の声は君に届かない。


頑張れば届きそうだけど、自分の足を手をみて傷つく。
あの花の色と一緒なんだけど、せめて綺麗な手足なら。


土が乾いたら水をあげる。
その時は喜んでいるみたいだけど、やっぱりそっぽ向いてる。

でもいいんだ、そっぽ向いてても・・・。


もし誰かに摘み取られたら私にはどうすることもできないから。
いつあの花びらに届くか分からないから、
それまで少し頑張ってみる。

でも、手足は限界..。
急に雨が降ってきた。

あちこち傷がしみそうなんだけど、君の葉が傘になって助かった。


でも君はそっぽを向く。花びらは閉じていた。
ありがとうって言いたいけど。

アリスは葉の下に縮こまって泣いた。

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Mission15# ミッドガンド――Good Bye..―― 1/2



イリスの母――シャラに呼ばれて居間に行くと、
そこに食事が用意されシャラとよく似た女性がお湯を沸かしている最中だった。


「マーサ、今ティアちゃんに食事をあげても大丈夫かしら?」



マーサは振り返り、ティアをみてニッコリ笑った。


「大丈夫よ。貴方がティアちゃんね。姉さん、コーヒー飲む?」


「お願い、マーサ。あ、マーサは私の妹よ。貴方もコーヒーいる?」

「いえ、今は..。食事頂いてからでもいいですか?」



シャラはうなづき、ティアを席まで連れていかせた。
鶏肉を煮込み野菜でしめたホワイトシチューにパンとチーズが別の皿に添えられた食事を席についたとたん、
ティアはあっという間に平らげてしまった。



「お腹空いてたのね。コーヒー、ここに置いておくね。砂糖は自由に取って」

「あ、ありがとうございます」



マーサはシャラにもコーヒーを渡すと、テーブル上砂糖瓶から角砂糖を3つほど入れてかき混ぜる。





「姉さん、イリスも随分年頃になったわね。前まで女の子連れて来ることなかったのに」

「まぁ、あの子も意地張ってたところあったからね‥。だからってマーサ、あまりいじったらだめよ」




「わかってるわ。ティアちゃん、傷は大丈夫?イリスから聞いたけど、矢当たったんでしょ?」




ティアはちょうど角砂糖4つをコーヒーに入れかき混ぜたところだった。



「あ..はい。傷は浅かったのでもう塞がってます」


本当は魔法で癒やし傷をなくしたが、とても魔法で治したとは言いにくい。
後ろめたい気持ちにはなったが、仕方なく黙っていることにした。



「それは良かった。でも、もし傷口が痛んだら言ってね。痛み止めの薬草があるから」

「ありがとうございます。あの..イリスいますか?話したいことがあるのですが」





「イリス?確か、部屋に居ると思うけど。二階に上がって左の、一番突き当たりの部屋よ。すぐわかるわ」





ティアは部屋をゆっくりと思い出しながら、コーヒーを飲み干した。



「コーヒー、ご馳走様でした。夕食も頂いてしまって」

「いいのよ、ほら。イリスに会うんでしょ?」



微笑むシャラにも言われ、お辞儀して二階へティアは向かった。




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