うぐいす色の実

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リプレイ。

どうしたい?
いってごらん。

心の声がする。
キミの隣が良い。

真実は残酷だ・・。


『君の知らない物語』
曲の言葉を借りて言ってみる。

聞いて。
キミのこと、何にも知らない自分に気づいた。


それはどうあがいても知らないままで。
そう、何にも知らないんだよ。
だからあんな夢をみたんだ。

キミの顔が映らない夢を・・。


あの夏、少しでも知りたくて頑張っていた日を思い出した。
でも勇気が出なくて話せない。
上手く話せないのを知っていたから・・。

少しでも傍にいられるなら・・。
そう想って・・・。


でも結局、何も変わらない。
知ることはできないままで、単純な話しかできないままで・・。

ごめん・・、
何にも変わってないや・・。


どうしたい?言ってごらん。
心の声がする・・。

キミの隣が良い。


そう・・、できるなら。

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天の涙は種へと落ちる。。。  



おかしくなりそう・・。
ショックが大きすぎて。
詰めすぎてあまり疲れがとれていないせいもあるけど。

全く知らない人に出会ったような・・、
そんな感じ。
私が知ってる人ではない。
そんな感じが・・。


だから・・、ドキドキもしないし目を合わせても何も感じなかった。
たまにすれ違うそんな一人のような。
見ても何も思わないことにした。
そうしないとまたおかしくなりそうだから。

何も思わない・・いや疲れすぎて何も感じられない。
そんな状況でやっぱり、視線・・そうじゃなくても何か心配してるようなそんな感じをかすかに感じた。
よく知っている・・すごく懐かしい、好きな部分。
この部分が好き。

かと思えば、急に冷たくなる。
全く知らない人に戻る・・。
ああ、そうか。
本当に自分は何も知らないんだなって。


明日、そのまた明日、出会ったら知らない人に戻るんだろうか?

『私』が知っているキミはもう出てくることもなくて、「私」が知らないキミしかいない。
もう少し早く気づけばよかった。

『私』のわずかな記憶はとても古くてまた出会えたときのために残してくれていたもので、
何か行動を起こさないといけないのは「私」の方。
覚えてなくて当然・・赤の他人なんだから。

赤の他人なんだよ?
きっと『私』のことは忘れてるだろうし、もうあの時みたいに何も感じじなくなってるんだろな。
想ってるだけじゃ届かないし、話さない限り・・。

ほんの少しでもいいから・・覚えてくれてるかな?
せめて『私』の時の懐かしさに気づいてくれてたら。
今は・・それだけでいい。

身体不調で・・心から笑顔になれてないから。
覚えていて、それだけでも救いになる・・。


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Kiroro (10) 魔法使いのハート


「結局、魔法使いにハートがいらないって誰が考えたんでしょうね」



木々が生い茂った庭に花畑。
そこにテーブルを置かれ、ティータイムを黒い魔法使いは楽しんでいた。
隣には、白い猫。


傍目からみれば、異様な光景だ。



「昔は‥ハートが魔法使いにもあったんだよ。でも初めて星子と契約したとき、何か悲しいことがあったんだ」

「そういうのだけは得意よね、メイラは」

「作り話じゃないって。魔法歴史書に書いてあるよ?」



黒い魔法使いは考え込むように一口紅茶を飲んだ。

「‥そういえば、あんたは本の虫だったね」


魔法歴史書にはそこまで詳しく書かれていなかったが、
これまで自由だった魔法をある魔法使いが星子に頼んだこと、
それが元で今では星子に契約しなければ魔法が使えなくなったこと。

推測にはなるが、自由に魔法を使うには精神的に丈夫でなければ使いこなせない。
時代ごとに魔法の力も弱まり、魔法の衰弱は精神的な弱さが増したこと、魔法使いの衰退も余儀なくされた。

そんな中で一人の魔法使いが星子に契約を交わした。


どんな思いで契約したかはわからない。
でも、その魔法使いには恋人がいたという噂がある。

その裏付けとなるような悲しい魔法の力がわずかながらに、文字に宿っていた。



「どんなことがあったのかわからないけど、今ではもう星子に頼らないといけないし、
  もう魔法使いにはハートが戻らないのかもね」

「そんなことないよ、私だって――」


そんなメイラの言葉を遮り、黒い魔法使いはメイラに話す。


「あんたは違うよ、メイラ。選択の余地がなかったもの。
 それに余程のことがなければ、魔法使いは魔法を捨てない。いや、捨てられないと言った方が正しいかも」


メイラは黙り込んでお皿にあるクッキーをサクサクと食べた。



「でも‥お陰で少しハートが分かった気がする。メイラのハートは元に戻る必要があったのかもね」


「‥シャアラはこれからどうするの?」


少し寂しそうに黒い魔法使いは微笑んだ。



「あんたは本当に心配性ね。バカンスに行くのよ」

メイラは驚いて耳を疑ったが、そんな様子のメイラをシャアラは笑った。


「ごめん、冗談よ。あたしはバカンスに行くこともないし、この街を離れることはないから」

「そっか‥それならいいんだけど」


そう言いつつもメイラはあのシャアラの寂しそうな笑顔が気になった。


「シャアラ、また会えるよね?」

「もちろんよ」


ティータイムがすんだ後、白い猫は黒い魔法使いの元から去った。
黒い魔法使いはティータイムで残ったクッキーをかじる。


「きっとあの子は私より寿命が短い。
  魔法で私は生き長らえるだろうけど‥。でも、これで良かったんだね?」


黒い魔法使い――シャアラの言葉を聞いていたのは、メイラのハートを預かっていた星子だ。

シャアラの言葉に頷くようにキラキラと瞬いた。



――――――――― END ―――――――――

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Kiroro (9) キロロ


メイラの体が光り、光はメイラの体を包み込んだ。
光が収まると、メイラの姿はなぜか白いネコの姿のままだ。


「ど、どうして!?」

「正解としてはまだ足りなかったみたいね、それが何かまでは。
  魔法は使えなくなるから、星子との契約は無効、ハートは貴方の元に戻る」


メイラから光が現れその光から七色の光が離れていき、残った光はメイラの中へと溶け込んだ


「おかえり」

メイラは小さくそうつぶやいた。



「結局‥何が足りなかったんだろう?シャアラにはわかる?」

「本質だと思う。それが一体何か、ってことね」


「ハートが戻ってきた今なら、分かるかもしれない」

「メイラ、ハートの呼び名は心以外にもキロロという言い方あるの知ってる?」


メイラは首を横に振った。
続けてシャアラは話す。


「古い言葉でキロロ。もしかしたら、今度こそわかるかもしれないね。キロロは複雑だから」

シャアラはそう言い残して去っていった。





「レオ、結局ダメだったよ」

「‥そっか」


落ち込んでいると思いメイラに何か言おうとしたが、メイラに遮られてしまう。

「でもね、ハートが戻ってきたの、心だよ?今ね、今ならハートが何かわかる気がするよ」


メイラがあまりに嬉しそうなので、レオは言葉を飲み込み自分も嬉しくなった。

「それでハートって?」


「レオが言った通り、私自身のことだと‥。形まではわからないけど、たぶん形も私なんだろうな」

心がわかるのは心が返ってきたとき。
そして自分のことがわかるのも‥。


「メイラ‥?」

気がつけば、レオのことを見つめていた。
一瞬で顔が赤くなる。


「この気持ちも分かった‥」


熱いミルク粥を無理に飲み込んだようなこの感じ。

メイラがこの気持ちを知ることになるのはもう少し先の話のことになる。


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Kiroro (8) 最後の謎解き


「魔法のことはわからないけど‥メイラと一緒にいたら楽しい。
 今まであったものが当たり前じゃなくなったから。だから‥まだ一緒にいたい」

「私がニンゲンでも?ハートがなくても?」



レオはこくっと頷いた。

「レオ、昨日私に変って言ってたけど、私より変だよ」

「かもね。自分でも思うさ」



レオは笑ってそう答えた。


普通猫の姿していて元はニンゲンでーす、なんて言われたら大抵逃げ出すと思うんだ。

ほぼ間違いなく。
コイツは変だって。
ヘンテコだってね。


でも、なぜレオは逃げ出さなかったのか不思議だった。

――これもハートに何か関係するのかな?


ハートがない私にはわからない。
でも、ここが――この胸の辺りがスゴく熱い。

熱いミルク粥を無理にお腹へ押し込めて食べた時みたい。



それが何かわかれば、ハートの形がわかるかもしれない。



でもどうしても答えが導き出せないまま、日暮れ前まで来てしまった。
シャアラが現れ、最後の謎解きについて聞きにきた。


「ハートの形見つけた?」

メイラは首を振った。



「見つからなかった。でもどういうものかわかった気がする。それがあれば、ココに響く――」

メイラはそっと、胸に手を当てる。


「とても嬉しくて優しい。そうだね、ちょうどお日様のような‥。
  でも、ありすぎはダメ。お日様のように、暑くなりすぎて良くない。
  だから‥、お日様。ハートの形はお日様じゃないかな?」



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Kiroro (7) もう時間がない

幸せになったところで、時計をふと見るとお昼を過ぎていた。
思えば、今日の日暮れまでがリミットだった。

もう本当に時間がないのだ。


そう気づかされた時、先ほどの幸せはどこかへ去ってしまった。
姿は猫であっても、中身は人そのものでネコにはなりきれないのだ。




「もし私がニンゲンだって言ったら‥変だと思うよね?」

急に聞かれレオは戸惑った。


「どういうこと?よくわからないよ。キミはどうみてもネコだし‥ニンゲンじゃない。
  そりゃ‥ニンゲンぽいところもあるけど」

「ちゃんと言っておこうと思って‥。私‥本当はニンゲンで、2日前にネコになった」




少し間が空いた。

レオの頭上には「?」のマークが一杯飛び交っていることだろう。
少し落ち着いてから、メイラは話始めた。



「ニンゲンというより魔法使いだったってこと。魔法がかかってて今日の日暮れまでに
  ハートの形を探さないといけない。探せたら‥ニンゲンに戻れるし、探せなかったらこのまま」

「‥魔法使いなら聞いたことある。あの森の奥に白い魔法使いと黒い魔法使いが
  住んでいるんだよね?悪さはしないと聞いているけど」


メイラはそこまで知っているならとにっこりと笑った。


「その白い魔法使いが私」

へ?と言ってレオは驚く。


「だって‥もしそうなら、魔法で元に戻れるんじゃ‥?」

「戻れないの。これは魔法の決まり事だからね」


メイラは窓から見える、木々を眺めた。
自然はいつもそこにあるようで時が流れていないような気がした。



「今は‥魔法使えないし、見た目は普通の猫。でも、元はニンゲンだから‥
 レオの言うとおり、身一つ守れないし無防備。ニンゲンとしてもネコとしても曖昧になっちゃった」


レオにはその白いネコが今まで会ったことがないような不思議な雰囲気を醸し出していること、
ネコにはないものを持っていることに薄々気付き始めた。


「メイラは‥ニンゲンに戻りたい?」

レオはそっと聞いた。



「‥‥わからないよ。わからなくなった」

今にも壊れそうな声でメイラは言う。
そして、これ以上、メイラは何も話さなくなった。

日が沈むまでに時間はゆっくり流れていた。


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Kiroro (6) ミルク粥


お腹が空いて朝早くに目が覚めてしまった。
そういえば、ハート探しに夢中になって食事のことすら何も考えていなかったことに気づいた。

お腹は切なく鳴る。


「ネコって何食べんだろ?」


ふと、猫がネズミやスズメを捕まえて食べている記憶が出てきてメイラは必死に首を横に振った。
とても食べられる気分ではない。



「レオに聞いたらわかる?」

メイラは木から下りると、食べ物を探しに昨日灰色のネコがいた所を避けて探した。

正直見つかりそうにない。




日が昇りきったとき、諦めて公園に戻った。
そこをレオが公園の前を通りかかりメイラを見つけた。

「あ、メイラ!」


レオが見つけたメイラはぐったりしていて元気そうに見えない。

「何かあったの?」


「おなかすいた‥」

心配したわりには大したことではなかったため、レオは思わず笑ってしまった。




『はい、お待ちね』

ところ変わって、今メイラの前には皿があり中には白いミルクのようなものが入っている。
思わず、唾を飲み込んだ。

これを持ってきたのは、レオを飼っているおばあさんだった。



『ミルク粥、ちょっと残っていたから貴方にちょうどいいわ。クロも一緒に食べなさい』


どうやら、レオはおばあさんにはクロと呼ばれているようだ。

レオ曰わく、人によっては名前が変わるのだと教えてくれた。



夢中になって、メイラはミルク粥を食べる。
こんなに食事が美味しいと思ったのは久しぶりだった。


「本当にお腹空いてたんだね」


メイラの食べっぷりに驚いてレオが言った。


「美味しいからだよ」



ミルク粥は少しぬるめに冷ましてあったため食べやすい。
猫の猫舌は伊達ではなかった。


『この子キレイな子ね、毛並みいいし。どこで見つけたのかしら?
  飼い猫‥にしては首輪がないし‥。もし良かったら、またここにきていいわよ』



メイラは嬉しそうに鳴いた。

一瞬、何を探していたのかわからなくなるくらい幸せな気分になった。


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Kiroro (5) 黒い魔法使い

今日の寝床のことも考えて、あの木の上に寝ることにした。
レオ曰わくここは安全だそうだから、またあの灰色のネコに追い出される心配はない。



「助けてくれてありがとう」

メイラはレオにそう言うと、返事を待たずに塀から下りてあの公園の方へと歩いた。

感謝しつつも、どこか悲しげな言葉にレオは追いかけていいものか迷っていた。




オレンジ色に染まる夕暮れ。

木の上に登っていると、黒い魔法使いのシャアラが同じ木に座っていた。


「‥どう調子は?」

メイラは横に首を振った。


「そう‥。‥‥ごめんね、謝ってすむ話じゃないけど‥むきになっちゃって」

「もういいよ、それに‥。
 もしだけど‥私がハートの形を見つけることが出来なかったら、ハートは私の中に戻ってくると思う?」

「それはわからないよ。でも戻れるとしたら‥――」



シャアラがそう言いかけた瞬間、メイラはシャアラの言葉を遮った。


「その答えはシャアラに託すよ。謎解きはシャアラの仕事だから」

「あたしたちでしょ?メイラ」

メイラはちょっと困ったように笑った。



「そうなったら私、魔法使えなくなるから‥。人にもネコにもなりきれない猫になる」

「そんなことないよ!メイラ、そんな時は‥その時は!あたしを頼って、お願いメイラ」


そんなシャアラをみて、二人がまだ魔法使いに成り立て頃を思い出した。
元から二人は姉妹弟子みたいなものだ。師匠の元へメイラの次にシャアラが弟子になった。
普通女性の魔法使いは魔女と言われるが、師匠が男性であれば弟子が女性であろうとなかろうと、
魔法使いと呼ばれた。

師匠がどうであるかが、弟子の今後の呼ばれ方に左右する。

そんな姉妹弟子は良きライバルでもあり親友でもあった。




「シャアラ、師匠は言ってたよね。僕らがするこの謎解きは人のためになることだって。
  だから、私が猫になったことも無駄じゃないよ」

「でも‥‥」


「シャアラ、私は私よ。姿は変えられてもね。だからシャアラはシャアラでいて。
  私は私の出来ることをしてみるから」


『魔法はね、人を幸せにするものだよ。でも、多すぎてはいけない。
  対価は与えすぎ貰いすぎは傷つけてしまうから』

話しているうちに、ふと師匠の言葉が蘇った。




「今日はもういいから、また明日ね」


メイラはシャアラにそう話し、シャアラに帰らせた。
傍目から見て、猫と話していたらシャアラがどういう目で見られるかわからない。

メイラは独り木の上に休んだ。



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フラッシュゲーム「Chat Noir」

Chat Noir というフラッシュゲームです^^
簡単に説明すると猫を逃がさないように、濁った黄土色のようなブロックで囲うゲーム。

なかなか難しいですよw
猫が黄色のブロックから外へ逃げ出したらゲームオーバーです。


ブログ用のゲームではなかったので、サイトへ直接のリンクとなります;;
画像は直リンクにはなってませんので注意してください。



   Chat Noir


Chat Noir』←やって見たい方はここをクリック。

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Kiroro (4) ハートってなに? 

陽がのぼって木の上に寝ていたメイラを優しく起こした。
柔らかい光と爽やかな風が居心地良く、起きても嫌な気分にはならなかった。


――結局‥、ハートって何なんだろう?



目に見えるものか、そうじゃないのかさえ分かってたらいいのに‥。

みんなにあって私にはないもの。
いや、正確には昔の私にもあったはず‥。



メイラは木から降りて再びハート探しに取りかかろうとしたが、その木の近くに黒いネコが通りかかった。

「キミ見かけないね」


よく見ると、黒いネコには鈴のついた首輪をかけていた。

「すみません、場所お借りしました」


言葉を交わしたのは昨日なのに、久しぶりに言葉を交わした気がした。
ネコというのも変な感じがしたが、気がつけばネコに言葉がしかも敬語で通じているのかが疑問だった。

「あ、あの‥やっぱり変ですか?」

「ネコにしては変だよ、まるでニンゲンみたいだな。ネコは謝らないよ、それに場所を借りることはない――」



結構ストレートに言われたこともあり、ちょっとショックだった。
「――それから、キミには警戒心がないよ?無防備過ぎる」


「無防備?」

「この街には街を牛耳っているネコがいる。気をつけないと、話になるような相手じゃない」


「うん、気をつけるよ。ありがとう」

「キミって本当に変だね」


メイラは苦笑いして、その黒いネコと別れた。




それから歩き続けたが、誰に聞いても分からないと言われるか悪ければ追い返された。
しょんぼりして、メイラは路地裏へ入り暗がりに天から差し込む光を眺めた。


「ここは危ないよ」

リンと鈴の音が鳴った。
急に言われて声の主を探すと、暗がりには
今朝の黒いネコらしい首に鈴をつけたネコがメイラに向かって話しかける。

「あっちの方がまだ安全だよ。ここは来ちゃだめだ」


訳がわからなくて躊躇っていると、黒いネコは通りの道へとメイラを押しやる。

「なんだレオか、珍しいな。連れか?」


暗闇から出てきたのは、灰色のネコでレオと呼ばれた黒いネコよりもふた周り大きい。



「お前こそ珍しいじゃないか、こんな昼間に」

「厄介者を追っ払いにきたんだ。最近変なヤツがいるってな」


灰色のネコは私を見ると、ニヤリと笑った。

「そいつは白いネコと聞いた。お前か、確かに変だな」


詰め寄る灰色のネコに怖じ気づいて動けないメイラを黒いネコは通りへと押し出した。



「飼い猫の分際で邪魔するな」

「出て行けばすむ話だろう?」


黒いネコはメイラに走って近付き、走ってとメイラに話した。
黒いネコの声で恐怖からの呪縛から解かれ、急いで黒いネコの後を追いかけかけていく。


灰色のネコは途中まで追いかけてきたが、次第に諦めたのか追いかけて来なくなった。



「上手く巻けたみたいだ。朝にも言ったけどアイツが街を、とくにあの辺りを牛耳っているネコだよ」


「やっぱり‥変なんだ。ハートがないから‥なのかな?」

「気にすることはないさ。はーとのことはわからないけど」





今居る場所は住宅の塀の上だった。


「ねぇ、はーと、って何?食べ物?」



「違うよ、でも誰にとっても大事なもの。ハートがどんな形か分かればいいんだけど」

「でもさっき、はーとがないっていってたよね?」



「私にはってことだよ。レオにもちゃんとあるんだよ、ここに」

メイラは自分の左胸に手を当てた。
鈴の付いた黒いネコ――レオは左胸に手を当てたが首を傾げた。


「よく分からないなぁ‥。そんなに大切なら何を無くしたか分かるのに」

「ハートは目に見えないんだよ‥たぶん」



メイラは自信なくそういった。




「じゃなぜ場所が分かるの?」


メイラは考え込んだ。
目に見えない、あるかどうかもわからないハートがどこにあるのか、
メイラにはなんとなく無意識で感じていたのだ。


レオは黙り込んだメイラを不思議そうに見る。

「キミは何て名前?」

「メイラだよ」


「じゃ、はーとが何だって、メイラはメイラだね。メイラに変わりないさ。
  だから‥あまり気にしない方がいいよ」


ハートというものはとても感情に響く。
しかし、嬉しさの反面謎解きのリミットが差し迫っていることには変わりなかった。



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Kiroro (3) 魔法使いとハート 


メイラは街を探索しながら、ハートのことについて考え始めた。

魔法使いにハートがない理由。




それは簡単に話せば、魔法を使う契約の際にハートを切り離したためだ。

魔法を使うのにハートはいらないが、
魔法を溜め込むのにはハートという器が必要だった。


シャアラが言っていたのは、このハートの器の形である。


しかし、今までメイラは書物にも自分のハートでさえ「形」については何も知らない。
変な話だが、ハートを契約によって切り離されたはずなのに、誰もハートの形を覚えていないのだ。

契約する相手は「星子(ホシ)」と呼ばれる精霊だ。
星子は魔法を与える代わりに、ハートを受け取り精神力に見合った魔法を分けてくれる。



もし精神力に見合わない過度な消耗と摂取を繰り返せば魔法使いも星子も耐えきれず、
ハートは壊れてしまう。

メイラはその話を聞いてから、ハートというのは壊れやすい物だと思っていた。
強いが故に壊れやすい、そういう物だと‥。



街を歩くといろんな人と巡り会った。

メイラに近寄って撫でようとしたり、話しかけてくれたり、「向こうへ行け」と追い払われたり‥。
驚いたのは、カラスと本当のネコだった。

メイラを見ると、つついたり威嚇したりする。
余所のネコだと思われているのか、それとも変なヤツだと思ったのか‥。


どちらにしても、ここにメイラの居場所はない。
ハートの形が見つかるまでは元に戻ることさえできないのだから‥。


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ミサンガ☆ブレスレット

昨日作ったミサンガです^^


初パワーストーンも入れて見ました☆

@アラゴナイト
@クラック水晶(爆裂水晶)
@チェリークォーツ(ただし、ガラス)
@フローライト


ビーズも入れているので鮮やかなミサンガになりましたw
画質悪くてすみません;;

個人的にパステルカラーが好きなので淡い色が多いです☆


   ミサンガ_ブレスレット

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Kiroro (2) ハートを探しに



気がつけば、
路地裏に倒れていた。

黒い魔法使いのせめての助けだろう。いつもカッとなってしまう彼女。
――今回ばかりは‥。


いつもと違う、そう思った。
私達にはハートがない。

魔法使いにはないもの‥。
メイラもハートがどういうものかわからなかった。


いつもなら大抵答えを出せるメイラも今回は身一つで探すしかない。
なぜ彼女がここまでして癇癪を起こしたのか、メイラにはわからなかった。

なんと言うか‥今回は――
「やり過ぎだよ‥、シャアラ」



黒い魔法使いの名前を口にしてハッと口を塞いだ。
言葉はちゃんと話せるみたい。

「‥話せる?」


でも今の自分は人の姿をしていないのだから、いくら言葉が話せても黙っている他ない。


ふと後ろからごそごそと何かを探っている音がした。
振り向くと、ゴミを漁る数羽のカラスと眼が合った。

カラスの目は鋭く、カァー!と鳴き出す声は警戒しているように聞こえた。

――なんか‥、ヤバくない‥ですか‥‥?


メイラは目を反らさないで後ろへ一歩ずつ下がっていく。
カラスはピョンピョンと跳ね、メイラに徐々に詰め寄ろうとする。
ある程度ギリギリ体が通りそうな隙間に目をやると、すぐに隙間の中へ入り走り抜けた。

その甲斐があってカラスは隙間の中まで追いかけて来なかった。
ホッと安心して、表へと出る。


そこは人が行き交う、大きな通りだった。


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Kiroro (1) 白い魔法使いと黒い魔法使い

白と黒の魔法使いは今日も問いかけに解き合っていた。



ライバル同士で仲が良かったが特に黒い魔法使いは、
問いかけに対して意見が一致しない時があるとどちらが正しいか結論を出すことに精を出した。


ある日黒の魔法使いは白の魔法使いに魔法使いにとっても難しい問いかけをしたが、

白い魔法使いはこの問いかけに応えられず、黒い魔法使いの機嫌を損ねてしまった。


――分からないことないだろう。あたしとあんたは姉妹弟子だ。
元の姿に戻りたいなら、日が三回沈むまでに見つけてよ!三回沈めば、あたしの勝ちだから。



白い魔法使いは白い猫へと姿を変えられた。
この魔法には期限が消えない限り、自分の力ではどうすることもできない。


白い魔法使いが黒い魔法使いに説得しても黒い魔法使いは首を振るばかりだ。
魔法を使う者の約束事。

白い猫になった魔法使い――メイラ。


探し物は、「ハートのカタチ」。




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