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#10  In the circus  3/3


着替え終えてテントから出てくるフォーンを見かけエンゼルは、フォーンに話しかけた。



「フォーンさん、開演前はどうもありがとうございました。あとお疲れさまです」


「それはいいけど、夕食食べていきなさいよ。バイト代には含まないから」

「夕食みんなと一緒でいいんですか?」


「何言ってんの。ほら早く着替えてきなさい」


そう言えば、まだメイクも衣装も着替えてないままだ。
慌ててテントに戻りメイクの落とし方を教えてもらってから、着替えをした。

急いでテントから出たため勢いで誰かとぶつかった。

「す、すみません」


慌てて謝り前方を見上げると、左目を布で隠した黒髪でエンゼルと4歳ほど上の男性とすれ違う。
知ってか知らずか男性はエンゼルに見向きもせず、エンゼルの前を通り過ぎた。

その時微かにエンゼルの胸あたりが紫色に淡く光るのと同時に、男性の左目も呼応するように淡い赤い光を放つ。エンゼルは急いでいたせいもあってか、シルシの光に気付かなかった。



「遅れてすみません」

ヒワリとフォーン、ロワンがテントの前で待っていてくれていた。

「遅いぞ、エンゼル」


ロワンは透かさず冷やかしたが、ヒワリがフォローする。

「大丈夫。ロワンも遅れてきたから」


「先に入ってて、ユラを探してくる」

「あっ‥えっと‥‥――」



フォーンの声に少し覇気がなく、
エンゼルが言い終わる前に急いで探しに行ってしまった。

「どうかしたの?」


ヒワリに聞かれ少し悩んだ後、
行きしに片目を布で隠した男性とすれ違ったことを話す。



「ユラ、って左目を布で隠した黒髪の人ですよね?僕がぶつかった人はユラさんなんでしょうか‥」


「たぶんユラだろ。てかなんでそれを早く言わない?フォーン行っちまったぞ?」

「あれ?」


ヒワリが振り向いた先にフォーンとユラの姿が目に映った。

「ずいぶん、早かったね」

「意外とすぐ見つかったの」


ヒワリとフォーンが話している間にエンゼルはユラに話しかける。

「あの‥先ほどは――」

「気づいていない‥か」


意味深な言葉をエンゼルに投げかけ、それ以上何も言わなかった。
どういう意味か聴こうとした時には、すでにテントの中へ入っていた。


「私たちも入ろう?お腹も空いてきたことだし」


ヒワリに言われユラに続いて、テントの中へ入った。

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#9  In the circus  2/3

<サーカス会場テント内――>


『lady's and gentleman!ようこそ、お越しくださいました。
今からここでお見せするのは摩訶不思議なものばかり。
犬の耳・しっぽを持つ少女フォーン、彼女がこのサーカスの曲すべてを指揮します。
その歌声は幾多の人々を魅了することでしょう。

最初の演目は火吹きのレイモン、続いてピエロたちの玉乗りです。
普通のサーカスと思いますでしょうが、真実はその目で見て下さい』



団長が言い終わると、フォーンの歌声と共に団長台に炎が吹き上げた。
会場ではおおっと歓声が湧き上がる。

二、三度天井にまで吹き上がる炎の中から、
人のシルエットが現れ観客席の前にあるランプに右回りで火をつけた。
見事な点灯に拍手が起こり、続いて4人のピエロたちが天幕の中から玉乗りしながらステージにやってきた。

手にはジャグリングのクラブを持ち頭上で回している。
突如火吹き男が火を吹いて、クラブに火をつけさらに回し続けた。


火吹き男が手をあげクラブの火がすべて彼の手中に収まり、
ピエロたちが慌てているとバランスを崩し4人とも転倒する。
そんな中、火吹き男はピエロたちに向かって火を吹きかける。
玉乗り用のボールを放置し、蜘蛛の子を散らすように天幕の中へ逃げ込んだ。


深々と火吹き男がお辞儀をすると、入れ違いで団長が天幕の前に現れる。





『続いては美しき獣使いアスター、片目の綱渡りユラ、魔術師ヨルドナとその助手ヒワリです』

フォーンの歌声はピエロたちで一度切り替えが始まり、獣使いからは違うテンポに変えられた。


「ヒワリさん?今ヒワリさんって?!」

「聞こえてるから、落ち着け」


そうロワンはエンゼルにたしなめる。
今二人はテント内のスタッフとして立っていた。
だからこそ、一つ一つの演目がただで見ることが出来るのだ。


獣使いが現れ切れのいい音を立ててムチを打った。
先ほど置かれた4つのボール、そこへムチ打つと中からトラが姿を見せた。

みんなが息を飲み張り詰めた空気の中、獣使いは四頭のトラの手前にムチ打ち次は小さいネコに姿を変えた。
そのとたん、ワッと歓声が上がる。
獣使いは一礼して天幕の中へ帰ったあと、ネコたちが一斉に塔の上に上り始め左右にカゴのついたポールを持ちネコたちがカゴに入って綱渡りが始まった。
バランスを取りながら歩き始めている上、ネコたちはポールの上を行き来している。

渡り終えると、綱渡りから魔術師の助手に手渡された。



助手はポールを持ちながらステージの真ん中へ立つ魔術師に向かい空中を歩きまるで階段を降りるように降り始めた。
地上に降り立つとポールを魔術師に手渡し、ネコたちを小さい箱の中へ入れる。
箱にはどこにもタネがないことを見せると扉を開き二羽の白いハトへと変わった。
ハトは高々と天井に飛ぶと突然、白い紙に変わる。
そんな二枚の紙がひらひらと舞いながらステージの真ん中へ落ちた。

魔術師が手にとったその二枚は手をかざすことで再び二羽のハトへと姿を変えた。
歓声がワッと上がり、魔術師と助手がお辞儀をし天幕の中へと帰っていく。



その他にもいろいろな演目が続いた。
組み合わせの演目もあったが見たことのあるサーカスとは一目違っている。


最後のクライマックスは、空中ブランコと綱渡りの組み合わせだった。
始めは綱渡りを何人かで渡り、一人は綱渡りよりも低い位置でブランコをこいでいる。

そこへ綱渡りで渡っていた人がブランコへ飛び移っていく演目だった。
これも無事に成功し、何事もなくサーカスは閉演した。


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トラウマ。

2011/07/23(Sat) 10:19

久々に浴衣をきた。
あとから遅れたのに、友達が着付けしてくれた。
学校のお盆祭りだったから。

このお祭りに来て浴衣着てる友達が去年より少なくて
その少ない中でもいろんな事情があったみたいで
一緒には楽しめなかったから浴衣を着ながら課題をしていた。


別にお祭りを楽しむために来たわけでもないし、
浴衣を着ようとは思わなかった。
なんで着ようと思ったのだろう?

わからない。


久々だったから、
今年も浴衣を着る暇がなかったからかもしれない。

会うとは限らないし期待はしてなかったけど・・、
キミがいるならいいかなと思った。
単純。


キミには会えなかった。
会えるわけないよね?
忙しそうだし・・。

キミに直接嘘をついたわけではないけど、
一番自分の心に嘘をついたから
たぶんその報いを受けたんだね。


一目見たかったけど、
たぶん私には出来ない。
また嘘をつくから。

それに思い出した。
お祭りは私にとってトラウマ。
あんなに大勢いるのに一人になる気分になる。
だからすごく怖いんだ。

でもそんな感じがしなかった。


一人で屋台で食べ物買ってたけど、
一人じゃない気がして良かった。
トラウマ、思い出さなくてよかった。

今はただそれだけ。

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#8  In the circus 1/3

クラズベリー、ウィンズ、リード。

もし『クラズベリーの夜』がこなかったら世に知られることなく、最果ての半島の町ということで名が通っていただろう。


あの夜が訪れて町は一躍世間に広まった。
今ではその町の姿を一目見ようと、リードからサンマルシュに続く街道を使い観光客や商人がやってくる。
元々物資の交換で栄えてきたリードの町は一際活気に溢れていた。


人が増えたらバンパイアも襲いにくる。
それで、この町に立ち寄る狩人や魔術師は観光客や商人と共に次第に増え始めた。
求人が幅広いために人手を必要とするところ主なようで給料も他の街に比べたらそこそこ良い。



「え~っと‥だからって、サーカスに入ることないじゃないですか‥」



エンゼルは深くため息をつく。
いつもの服装と違ってピエロ姿でビラ配り。

それも、なぜかロワンと一緒に。



「ヒワリさんはどこに行ったんですか?」


ヒワリはビラ配りをする前にピエロ姿のスタッフに連れて行かれて以降、ビラ配りにも現れなかった。


「こーらッ!仕事中にしゃべらない!」

急に女の人の声が聞こえ驚いてその声の主を探した。



「しゃべる暇があったら全部配る!もう少しで開演するんだから」

ハキハキと話す、エンゼルよりも3歳ほど上の少女と目があった。
髪分け目からひょっこりと出ている両耳耳は、犬のような猫のような耳している。

初めて会った時よりメイクはしっかりとしているが、人間離れした両耳に気を惹かれてしまう。


「ちゃんと聞いてる?」

「は、はい。えっと‥その、サーカスに出るんですよね?えっと開演までに戻れるんですか?」


「当たり前よ。だってあたし、一番初めだもん」



そう言ってエンゼルの前を悠々と通り過ぎた。


「それなら――‥‥ん?はい?!今何て言いました?!」



振り返ってみたが、その子は居らず、ロワンだけがビラ配りをしていた。


「おーい、そっちは終わったか?」

「も、もう少しです」


エンゼルも慌てて配り、何とか開演までに終わらせることができた。



「フォーンが時間知らせに来てくれたぞ。そろそろ開演だとさ。早く中へ入ろう」

「フォーン‥?」


聞き慣れない名前にエンゼルは首を傾げたが、
ロワンに続いてサーカス会場の関係者以外立ち入り禁止の中へ入った。




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#7  竜馬の親子 2/2

蹄の跡を辿っていくと、急に開けた場所に着いた。

周りは鬱蒼と森が生い茂り、開けた場所の奥では小川が流れその付近の草を竜馬達が食べているところだった。
不法侵入したヒワリたちに気づいたのか群のリーダーである一際大きい竜馬がこちらを向き、様子を伺っている。群に知らせるほど危険を感じてはないが、必要であればすぐにでも警告をするつもりらしい。

「動いちゃダメ」


ヒワリは小声でロワンやエンゼルに伝える。
しばらくすると、茂みからあの二頭の親子が群の近くに出てきた。

母親があの群れのリーダーに何か伝えているようにも見える。
よく見ると、あのリーダーと子供の竜馬の体の白い色が少し似ているような気がした。




「もしかしてあれがお父さん‥?」

母親に続いて子供がリーダーの前へと出た。
子供が来ても警戒しないことから、やはり親子らしい。



「みたいだな‥」

「何かあったんですか?」


エンゼルはそうロワンに尋ねる。

「俺に聞くなって。ある報酬の貰い物だから詳しくは知らない。ま、何かあったのは間違いなさそうだけどな」

「本当ですか?」

エンゼルは少し疑いの目を向ける。


「本当っつの。それ以外にどんな理由があんだよ?」



そうこうしている間に、ヒワリは三頭の竜馬に歩み寄っていく。


「あのバカ!歩み寄るなと言ったのは自分だろ!?」

ヒワリが近づくと、群のリーダーは警戒を強めた。
リーダーに代わり、ヒワリに寄るのは母親と子供だった。

手綱を外し鞍も取る。



「元気でね」

竜馬にそう話して、ロワンやエンゼルのところへ戻った。

「ヒワリ、お前な!」


「ロワン、この手綱と鞍どうしよう?持っていけないもんね‥」

「何言っても無駄か‥。ま、手綱と鞍は町で売ってお金の足しにするかな」


ヒワリはロワンの言う通りにスモールの魔法で鞍と手綱を小さくしローブの下のバッグに入れた。



「これで良いんだな、ヒワリ?」

ロワンに尋ねられてヒワリは頷く。
竜馬の親子を見ると、親子揃って草を食べていた。


「だって籠の中の鳥みたいに自由になれないのは辛いよ」

「自由になれたからといって、自由かどうかはまた別の話だろ」


「でも嬉しそうですよ、ロワン」


今度は親子揃ってヒワリたちの方へ向く。
雰囲気がちょっと寂しげだ。
ロワンは一目見た後、エンゼルとヒワリに告げる。

「さぁて、町へ急ぐか。町へは長いぞ」


もう一度、茂みの中へと歩く。
また1人仲間が増えたと思ったら、また別の別れが待っている。

そもそも、この旅を始める時にもどこかで分かってたこと。
でも、やっぱり別れはいつでも悲しいもの――なんだね。


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#6  竜馬の親子 1/2

翌朝ヒワリは目が冷めると、近くの川から水をくんで竜馬に水を与えた。
二頭の竜馬が美味しそうに飲んでいる最中に、毛並みをブラシで整える。

「お腹空いてるよね、ごめんね。
もう少しで町があるから。もうちょっとだから頑張ってね」


竜馬もヒワリを見てすり寄った。
昨日の晩はその場に生えている草を与えるしかなかった。

そういえば、旅をするならこの二頭の世話をしなくてはいけない。
いくら丈夫とは言え、あちこちへ連れ回すのは可哀想だ。

せめて、自然界へ帰せるなら帰してあげたいと思った。


「この竜馬、かなり懐いてますね」


そう尋ねたのはエンゼルだった。そっと竜馬の首元を撫でる。

「昨日竜馬に初めて乗りました。思った以上に早くて」


ヒワリはにっこり笑うと、ブラッシングをしながら応える。

「この子達は親子なの。ロワンが乗ってるのはこの子の母親、この子は男の子でもう少ししたら大人になる。本当はもっと空を飛ぶように早いんだけど、疲れさせてしまうから」

「優しいんですね」


「気持ちを分かってあげないと竜馬には乗れないよ。いざという時、走りたいときに走れないからね」


その時、山から竜馬の群が飛んでいた。
まるで見えない地面を駆け抜けていくようだ。



「え!?竜馬って飛ぶんですか?乗った時は飛ばなかったのに」


ロワンが家から出てくると、おお飛んでる飛んでる、と嬉しそうに言った後さっきの質問に応えた。


「あれは野生だからなー。こいつらは家畜と同じだから、飛び方を知らない。
  あいつら、たまにこうしてここにくるんだ」

「あの飛び方は近くに降りるみたいだね。行ってみる?」



ヒワリはロワンにそう聞いたものの、ロワンは首を振る。


「先に町へ行かないと。こいつら何も食べてねぇし可哀想だろ?」

「ねぇロワン、もし旅をするとしたらこの子達連れ回せないよ。せめて、野生に帰せたら‥」

「気持ちは分かるが‥」



「ロワン、ヒワリさん!」


エンゼルの呼ぶ声が聞こえエンゼルの方を向くと、
二頭の竜馬は先ほど竜馬の群が降り立った先へ進み始めていた。


「群の方へ行きたいみたいです!」


すると、子供の竜馬が先へかけ走って行った。
続いて、母親の竜馬も掛けて行く。

「早く追いましょう!」



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「キミに贈る歌」を聴いて。

触れたり寄り添ったり
単純でいいの。

キミの傍で笑っていたい。


今のままだと
触れることも寄り添うことも・・とても難しいけど、
少しでも一緒にいられるなら・・。

邪魔されずずっと素直でいたい。


それでも難しい気がする。
本当の想い伝えたいけど、
いろんなものに邪魔されてしまうから・・・。

でも心は素直だから
ずっとキミのことを想ってしまう。
どんな風に想ってるんだろうとか・・。
今何してるんだろうとか・・。

きっと私の理想とは違うことしてるんだろうけど。
違っていたら何度も傷ついてる。
もっと辛いことだったら、もっと傷ついてる。

でも心はそれでも素直だから好きな気持ちには変わりない。


哀しいくらい変わらない。
ずっとずっと・・。
涙が出ても変わらない・・。

どうしよう・・。
ずっと心は痛んだままだ。
変わらなくていいところがあるのに変わってしまう。

痛んだままの心。
甘えたら傷つくから・・。
どうして欲しいかなんて伝えられないよ・・。

伝えようとしたら甘えちゃダメって・・。
伝えたらキミを困らせる。
そんなつもりはないんだけど・・。

甘えたい気持ち、どこに置いたらいいかな?
甘えちゃ・・いけない存在なのかな?


自分の本当の気持ち・・・聞いてくれるかな。
気づいてくれるかな?
気づいたらこんな心に悲しむかな・・。

ごめん・・、こんなんじゃ幸せになれるはずがない。
聞けるはずがないよ・・。
甘えられない。
キミが傷つくくらいなら私自身が傷ついた方がいい。
でも、傷つくとすごく痛いから・・・。

きっと何年もかかっちゃうね・・。
キミに幸せを運びたいけど、キミの青い鳥にはなれないや。
自分でさえ幸せにできないというのに・・。

私だったらいいなとは想うけど、
でも現実はそうじゃない、きっと他に誰かいるんだよ。
キミだけの青い鳥。

キミを幸せにしてくれる人。
まるで他人事みたいに言うけど他人事だよ・・。


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#5 ソレイユの印 2/2

 「みんな同じだ。俺たちもこれが何なのかわからない」


期待していたものの、エンゼルはやっぱり・・といった具合に落ち込む。


 「そうですか‥。ロワンさん‥ですよね?ロワンさんはいつその印を?」


「ロワンでいい。俺はヒワリと一緒で水都コルシェで狩人をしていた。あの中ではヒワリが、次に俺があの中では強かった」



じゃどうして――そう言いかけたエンゼを、ヒワリが代わりに答える。



「ちょうどその時に、印ができたの。街の人を守るのが狩人の仕事。それなのに、災いを持ち込むのは守るにあたらない、不安を掻き立てるのは良くないからって出ざるをえなかった」

「そんな‥」

チーズを三等分にパンの上に乗せながら今度はロワンが口を開いて説明した。


「そういうものなんだよ。誰だって見たことないものは怖いもんだ」


そロワンはエンゼルとヒワリに切り分けたパンとチーズを手渡す。
粗末ながらも、食料が少ないこの状態ではありがたい食事だ。


「まぁ、このままだとこの印が何なのかわからないままだし、エンゼルが言うように、なぜこの印が出来たのか探してみた方がいいのかもね」


ヒワリの意外な提案にロワンは驚いた。

「おいおい、狩人の仕事はどうするんだよ?旅と言っても収入はかなり大変だぞ?」


「街に定住するにもこの印があるから、旅人として旅しながらしていけばいいんじゃないかな?ここももうすぐ出ないと行けなくなるし‥ちょうどいいよね?」


「旅しても見つかるかどうかは保障できねぇぞ。それでもいいのか?」


ヒワリは頷いた。元々幾宛のない旅だ。
でもこうして、エンゼルが旅をしたことで私たちと出会えることになったのなら、もしかすると他に印を持つ仲間と会えてもおかしくない。



「わかった。けどな狩人の仕事はするぞ?あいつらを野放しにはできないからな」


「――‥ってことは?」

「よろしくね、エンゼル」


ロワンとエンゼルは、はぁっ!?と同時に驚く。
ヒワリはそんな様子を見てクスクスと笑った。



「旅は三人で。多い方が楽しいよ?それに、狩人は三人でした方が効率いいって」


「いやいやいや、お前はあっという間に倒すだろ?」

「それでも、サポートは必要でしょ?」

「いうねー」


ロワンは呆れていたが、エンゼルはヒワリの意見も一理あるなと思った。

何より旅は1人よりも大勢でいた方が楽しい。
仲間がいるということはどれだけの救いか、エンゼルはこの旅をしていて気づいていた。

「よろしくお願いします」

「エンゼルもほどほどにな」


そう言ってパンをかじった。
あまり美味しいと言えないパンだが、みんなで食べる分美味しさが増した気がした。


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#4 ソレイユの印 1/2


クラズベリーまで来ると、日は落ち夜になった。
ここから先のリードまで行くには魔物と戦わざるを得なくなる。
無駄に体力を消費しないためにも、クラズベリー跡地で野宿することになった。

もう10年経つとは言え、無事に残っていたこの一軒家は一晩越すにはちょうど良い。



「先ほどはありがとうございました」

そう言って、エンゼルはロワンやヒワリに頭を下げた。


「それはいいが、親はどうした?親とはぐれたのか?」

「いいえ、僕元々一人旅ですから大丈夫ですよ」



そうロワンの質問に答え、ロワンやヒワリは同時に驚いた。

「一人で?」

「魔物やヴァンパイアにあったらどうするの?」


「その時は――」

エンゼルはそう話しながら、左胸を抑えた。


「元々僕に魔力はありませんが、ここにあるシルシで魔法を使ってます」


シルシ?
そう聞いて、ヒワリは自分の右肩とロワンのことをふと思い出し、ロワンを見た。

この世界でシルシが来たら<ソレイユの印>とまずは思い浮かべる。
争いを無くすためにソレイユが残した印のことだ。
それが現れることは不吉の予兆、争いの予兆を自然と思い起こさせる。

ロワンとも目が合った。
そうこの子も私たちと同じなのだ。




「あの‥どうかしましたか?」

不安がるエンゼルにヒワリは答える。



「エンゼルの印を見た訳じゃないけど、ひょっとしてこれじゃないかな?」


ヒワリはローブを外し、ノースリブからでている右肩をエンゼルに見せた。
一見刺青のようにも見えるが赤々としていて、唐草のような模様をしている。


「模様も色も違いますが、似てますね。僕のは紫で蕾の形だと思うのですが‥」

「俺も紫色の印が左手首にある。こんな感じの模様か?」


そう言ってロワンは左手首の包帯を外すと、紫色に光るおそらく蓮の蕾を象ったしるしがそこにあった。


「そうそれです!この印を知っている人を探していたんです」

「どうして?」

ヒワリが聞くと、エンゼルはうつむく。

「元々この印はなかったのですが‥。この印が出来てから、誰も近寄らなくなりました。みんな不吉な予兆だと言って‥。でも変われるなら変わりたいと思いました。印のことについて教えてもらえませんか?」



ロワンはフードを外し、炎のような赤髪を見せた。
うなじの一部は伸ばされ編み込まれている。

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#3 日暮れのウィンズ 2/2



その瞬間、民家中に眩い閃光が放たれ、あまりの明るさにヴァンパイアは叫び声をあげた。


ヒワリはその隙に腰にさしてあった剣を抜き、二人のヴァンパイアを斬りつけた。
再び叫び声が上がる。

ヒワリは瞬時に、二人のヴァンパイアに取り囲まれていた人影に声をかけた。



「もう大丈夫だから、ついてきて」


そう話し掛けた時、襲われていたのは少年だと瞬時にわかった。

「あ、あいつは?」

「あいつ?」



「ヴァンパイア‥もう一人は‥‥?」


そういえば、ロワンはヴァンパイアは三人だと言っていた。
もう一人は‥‥


「狩人め!!」

気がついた時には後ろをヴァンパイアに取られ、後方の壁にたたきつけられた。
かすかに鉄の味がする。


「あいつらにしたことと同じことをしてやる!」


飛びかかってくるヴァンパイアを剣で防ごうとしたとき、突然ヴァンパイアは左へ体を持っていかれ
ヒワリの視界から姿を消す。

よくみると、全ての急所となる部に矢が刺さっていた。



「だから、言ったろ?油断は禁物だ」


そう言ったのは、玄関で弓矢を持ったロワンだった。



「雑魚は散らしたが倒してもきりがない。早く離れるぞ」



ヒワリは少年の前に立ち寄り、
自らのフードを外すと青みを帯びた深緑色の髪が姿を見せた。



「私はヒワリ、一緒に来る?」


少年はこくっと頷く。



「エンゼル‥です」

「ヒワリ、和むのはいいが後にしてくれ。すぐ立ち去ろう」


ヒワリは頷いてロワンに続き、竜馬に乗った。
エンゼルは竜馬に乗るのが初めてなのか、鞍にしがみついている。


日はとっくに沈んでいたが思ったより薄暗くない。
出来れば暗くなる前には他の町へ着きたいと思った。


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#2 日暮れのウィンズ 1/2


日暮れ時。
クラズベリー跡地付近のウィンズまでの山道で竜馬にまたがるフードを被った二人の姿があった。
どうやら急いでいるようだ。


「ロワン、状況は?」

「クラズベリー跡地付近のウィンズで襲撃があったそうだ」


「ウィンズ?」

「ヴァンパイアは三体。やられるなよ、ヒワリ」


視界が開けいつもは閉まっているはずの壁門が開けられ、その先にある街並みは壊されていた。


「ちょっと遅かったか」


町に入るといるはずのない下位ランクの魔物が目につき、魔物の隣を駆け巡る度に剣を斬りつけた。



「ヒワリ、雑魚は任せて先にヴァンパイアを倒せ」


竜馬を再び走らせ先に急いだ。
ロワンから離れたところで竜馬から下りると、慎重に当たりを見回す。

すると、民家の入り口に何かを引きずったような不自然な跡が残っていてそれは中にまで続いていた。
かすかに、ヴァンパイアの気配が残っている。


「見てくるから待ってて」

竜馬を入り口に残し、ヒワリは中へと入った。慎重に一つ一つの部屋を確認する。


『コイツ、こそこそと隠れやがって!』

『一掃のこと、喰ってもいい?』


二人の声が奥から聞こえる。
おそらくヴァンパイアの声だ。

ヒワリは息を潜めながら、慎重に奥を伺った。
民家はさほど広くなく、玄関からすぐに居間、居間の右側の開けっ放しの扉からは寝室が伺える。


そして、明らかに声が聞こえてきたのは左側にある扉のない部屋からだった。

『お言葉に甘えて味見といこうか』

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#1 クラズベリーの夜 1/1


その昔、ソレイユとオルゴンが始めたとされる1000年間の争い。


人々は魔物や吸血鬼[ヴァンパイア]から身を守るため、街ごとに大きな壁を作り魔術師と狩人を配置させた。

中にはヴァンパイアが好む黄金の血[キュウソス]が流れている血筋の血を求めて、
街を襲いに来るヴァンパイアも少なくはない。




『グラズベリーの夜』と呼ばれたある10年前の事件。

グラズベリーはヴァンパイアに街を襲撃されることを怖れた人々がキュウソスの血が流れている人を集め収容した町のことだ。



その町には自由がない。

一度入れば一生出られないとされた町。



その町がある日、オルゴン率いるヴァンパイアの集団により取り囲まれた。
キュウソスの血はヴァンパイアの珍味であるものの、その反面ヴァンパイアを倒せるのも彼らだけだった。


そのことを知っていたのはヴァンパイアとキュウソスだけ。




『クラズベリーの夜』を境に魔物やヴァンパイアが活発し始めた。

クラズベリーはその夜のうちに壊滅したが、
ある一族だけがひっそりと息を潜めていたことは誰も知らない。


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七夜。

こんなことは許されないかもしれない。
あれだけ否定していたのに今になって・・。
酷いことをしていると思うよ自分でも。

でも、今日だからこそ、今日は七夕の節句だから。
今日だけでいいから、
一瞬だけでもいいから素直な気持ちでいたいから・・。


今日だったら素直な気持ちでいたいよ。

願いはね、一杯あるけど。。。
今は一つだけ。

大事な一つ。
叶ったら嬉しいけど、素直に喜べるかわからない。
でもこれはきっと大事な気持ち。

期待しすぎると後がつらいから、
あまり言葉に出したくないけど・・。
期待しすぎて何度も痛い目にあってるから・・・。

痛いのが嫌で無理に目をそらしてきたけど、
この気持ちは失ってはいけないんだ。

うん・・。
今日だけは書こう。
そして一番大事な木にくくって明日の朝、その地に埋める。

本当は川に流さないといけないのだけれど・・。
でも本当の願いは自分の中にいつもあることを。

七夕って願いが叶ったからこそ、残っているんだよ?
昔たどり着いた答えを言われて思い出した。

どうしたい?
決まってる・・。
願いは本当は隠さなくても、心の奥深くにあるんだよ。

今日は雨だけど、心は晴れなきゃ。
今日は綺麗な夜空だから。

[Edit]

最近の心情に歌詞があってました;;

小説は多忙なためしばしお待ちを(・ω・`;;)
なるべく早めに更新できるようにします;;

今回は小説ではなく、
最近ちょっと気になっている曲を記載したいと思います^^
事の発端は100円ショップでかかっていた曲に始まり動画を探していくうちに・・
こうなってしまったわけです(-∀-A;;)


コレまで全く興味なかったTVアニメの「交響詩篇エウレカセブン」にも一時期はまることとなりました^^;
おかげで寝不足になりましたがw


@曲:BENI / もう二度と・・・

@曲:菅原紗由理 「キミに贈る歌」

@曲:Hercules - I Won't Say I'm In Love









しょうもないですが、
ここまでにいたった成り行きのおまけです。


100円ショップにて曲を聴く→
   Yuutubeで検索→BENIさん、菅原紗由理さんの曲発見→
     菅原紗由理さんの「キミに贈る歌」フルがなかったためニコニコ動画で検索→


発見、ただし「交響詩篇エウレカセブン」の編集画像付→
   「交響詩篇エウレカセブン」が気になり検索、動画観賞→

     なぜかヘラクレスの曲I Won't Say I'm In Love が流れてYoutubeにて検索

{※なぜこんなことになったのかは、ナギサにも不明です(ノ´∀`)


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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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