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花とアリス(5)

水をあの花の元へ。
土は乾いていた。あの花に元気がない。

元気出して、そう思って水をあげる。
これまでのことを話した。
でも、辛かったことは口に出したくなかった。
あまり悟られたくなかった。

茨の棘を上手くよけれるようになったことも話す。


花は私に珍しく花びらを向けた。
手や足を見せると、ゆっくりそっぽを向いた。
悲しかった。
でも、これで触れるようになったよ?
花びらまでは届かないけど。

あの時と変わらず、やっぱり君はそっぽ向いたままで。
アリスは乾いた土に水を上げる。


突然涙がこみ上げてきた。
びっくりして葉の裏へ隠れる。
あの子はもういないから私がしっかりしなきゃ・・。

水を汲む。
そしてその帰り道、再び茨の道でこけた。
水はこぼれなかった。

葉の裏に隠れて傷口を消毒した。
大丈夫、傷はスカートで見えないはずだから。
花びらを見上げると、やっぱり綺麗。

ちょっとは元気になってきたようだ。
よかった、そう思って微笑む。
『あの花が言っていたわよ。貴方は弱い子だって』
同時に、あの子の言葉が永遠とリピートされる。


私は・・傍にいてもいいのかな?
とたんに不安になる。
心配ばかりかけてしまう自分に。

心配になったのか、花びらが私に向いている。
にっこり微笑むとあわててそっぽを向いてしまう。


好きだよと伝えたいけど・・。
でも、私の声は届かない。

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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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