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花とアリス (8)

上手く逃げられたらいいな‥。

壁も床も棘で覆われている茨の道へと駆け出し、
隙間の間を急いでくぐり抜けた。

ヘビは噛みつこうとしたが、
茨の棘が阻み、その棘の間を器用に這ってくる。

必死に逃げていたせいで、手足が傷だらけになり
余計ヘビをおびき寄せる要因になった。


せめて‥この茨の道を抜けるまで。

逃げられる限り茨の道へ、
ヘビを誘導し最後の茨をくぐり抜けた。


目の前にはあの花。
花は何事かと、私の方に花びらを傾けた。

そして、ヘビの口頭だけが茨から飛び出し、
私に噛みつこうとした。
しかしこれ以上
茨の棘で届かないことが分かると諦めて戻って行った。


逃げ切れた‥?
安堵してホッと胸を撫で下ろした。



『もう少しだったのに』
聞き慣れた声がして振り向くと、あの子が立っていた。

『でも、もう遅い。記憶貰うぞ』
あの子の姿が黒いヘビに変わり飲み込もうと飛びかかってきたが、
途中で見えない壁がヘビの行く手を遮った。


ふとポケットの中の花びらを
取り出すと、
金色の光が輝いて何度もヘビの攻撃を防いでくれた。

『あの花のせいか』


傍にいる花はいつもより自信に満ちて大人びて見えた。
堂々と立つ花の様子をみて、涙が零れ落ちる。


『まずはお前からだ』
ダメ!
そう強く願った。
すると、リボンが一瞬光を放ちヘビは花に飛びかかったが、また攻撃を跳ね返された。
今度はヘビの方がダメージを受けたらしく
ヘビその物がかすれ始めている。

『お前も道連れだぞ‥、アリス』


少しずつ花と過ごした記憶が薄れて行く。
私は必死に思いだそうとするが、忘れていく速さに追いつけなかった。
ふと、花の茎にくくったリボンが目に留まる。


そのリボンに手を触れ、花に尋ねた。
「私がすべてを忘れたら、名前をつけてもらっていいかな?その時は過ごした時間を私に教えてね」

花びらが一枚落ちてそこには『いいよ』と書かれていた。

花びらに向かって微笑む。
「きっと思い出すから。待ってて」


ヘビは消え、後を追うように最後の記憶も思い出せなくなった。

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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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