うぐいす色の実

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Kiroro (5) 黒い魔法使い

今日の寝床のことも考えて、あの木の上に寝ることにした。
レオ曰わくここは安全だそうだから、またあの灰色のネコに追い出される心配はない。



「助けてくれてありがとう」

メイラはレオにそう言うと、返事を待たずに塀から下りてあの公園の方へと歩いた。

感謝しつつも、どこか悲しげな言葉にレオは追いかけていいものか迷っていた。




オレンジ色に染まる夕暮れ。

木の上に登っていると、黒い魔法使いのシャアラが同じ木に座っていた。


「‥どう調子は?」

メイラは横に首を振った。


「そう‥。‥‥ごめんね、謝ってすむ話じゃないけど‥むきになっちゃって」

「もういいよ、それに‥。
 もしだけど‥私がハートの形を見つけることが出来なかったら、ハートは私の中に戻ってくると思う?」

「それはわからないよ。でも戻れるとしたら‥――」



シャアラがそう言いかけた瞬間、メイラはシャアラの言葉を遮った。


「その答えはシャアラに託すよ。謎解きはシャアラの仕事だから」

「あたしたちでしょ?メイラ」

メイラはちょっと困ったように笑った。



「そうなったら私、魔法使えなくなるから‥。人にもネコにもなりきれない猫になる」

「そんなことないよ!メイラ、そんな時は‥その時は!あたしを頼って、お願いメイラ」


そんなシャアラをみて、二人がまだ魔法使いに成り立て頃を思い出した。
元から二人は姉妹弟子みたいなものだ。師匠の元へメイラの次にシャアラが弟子になった。
普通女性の魔法使いは魔女と言われるが、師匠が男性であれば弟子が女性であろうとなかろうと、
魔法使いと呼ばれた。

師匠がどうであるかが、弟子の今後の呼ばれ方に左右する。

そんな姉妹弟子は良きライバルでもあり親友でもあった。




「シャアラ、師匠は言ってたよね。僕らがするこの謎解きは人のためになることだって。
  だから、私が猫になったことも無駄じゃないよ」

「でも‥‥」


「シャアラ、私は私よ。姿は変えられてもね。だからシャアラはシャアラでいて。
  私は私の出来ることをしてみるから」


『魔法はね、人を幸せにするものだよ。でも、多すぎてはいけない。
  対価は与えすぎ貰いすぎは傷つけてしまうから』

話しているうちに、ふと師匠の言葉が蘇った。




「今日はもういいから、また明日ね」


メイラはシャアラにそう話し、シャアラに帰らせた。
傍目から見て、猫と話していたらシャアラがどういう目で見られるかわからない。

メイラは独り木の上に休んだ。



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