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Kiroro (7) もう時間がない

幸せになったところで、時計をふと見るとお昼を過ぎていた。
思えば、今日の日暮れまでがリミットだった。

もう本当に時間がないのだ。


そう気づかされた時、先ほどの幸せはどこかへ去ってしまった。
姿は猫であっても、中身は人そのものでネコにはなりきれないのだ。




「もし私がニンゲンだって言ったら‥変だと思うよね?」

急に聞かれレオは戸惑った。


「どういうこと?よくわからないよ。キミはどうみてもネコだし‥ニンゲンじゃない。
  そりゃ‥ニンゲンぽいところもあるけど」

「ちゃんと言っておこうと思って‥。私‥本当はニンゲンで、2日前にネコになった」




少し間が空いた。

レオの頭上には「?」のマークが一杯飛び交っていることだろう。
少し落ち着いてから、メイラは話始めた。



「ニンゲンというより魔法使いだったってこと。魔法がかかってて今日の日暮れまでに
  ハートの形を探さないといけない。探せたら‥ニンゲンに戻れるし、探せなかったらこのまま」

「‥魔法使いなら聞いたことある。あの森の奥に白い魔法使いと黒い魔法使いが
  住んでいるんだよね?悪さはしないと聞いているけど」


メイラはそこまで知っているならとにっこりと笑った。


「その白い魔法使いが私」

へ?と言ってレオは驚く。


「だって‥もしそうなら、魔法で元に戻れるんじゃ‥?」

「戻れないの。これは魔法の決まり事だからね」


メイラは窓から見える、木々を眺めた。
自然はいつもそこにあるようで時が流れていないような気がした。



「今は‥魔法使えないし、見た目は普通の猫。でも、元はニンゲンだから‥
 レオの言うとおり、身一つ守れないし無防備。ニンゲンとしてもネコとしても曖昧になっちゃった」


レオにはその白いネコが今まで会ったことがないような不思議な雰囲気を醸し出していること、
ネコにはないものを持っていることに薄々気付き始めた。


「メイラは‥ニンゲンに戻りたい?」

レオはそっと聞いた。



「‥‥わからないよ。わからなくなった」

今にも壊れそうな声でメイラは言う。
そして、これ以上、メイラは何も話さなくなった。

日が沈むまでに時間はゆっくり流れていた。


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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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