うぐいす色の実

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#7  竜馬の親子 2/2

蹄の跡を辿っていくと、急に開けた場所に着いた。

周りは鬱蒼と森が生い茂り、開けた場所の奥では小川が流れその付近の草を竜馬達が食べているところだった。
不法侵入したヒワリたちに気づいたのか群のリーダーである一際大きい竜馬がこちらを向き、様子を伺っている。群に知らせるほど危険を感じてはないが、必要であればすぐにでも警告をするつもりらしい。

「動いちゃダメ」


ヒワリは小声でロワンやエンゼルに伝える。
しばらくすると、茂みからあの二頭の親子が群の近くに出てきた。

母親があの群れのリーダーに何か伝えているようにも見える。
よく見ると、あのリーダーと子供の竜馬の体の白い色が少し似ているような気がした。




「もしかしてあれがお父さん‥?」

母親に続いて子供がリーダーの前へと出た。
子供が来ても警戒しないことから、やはり親子らしい。



「みたいだな‥」

「何かあったんですか?」


エンゼルはそうロワンに尋ねる。

「俺に聞くなって。ある報酬の貰い物だから詳しくは知らない。ま、何かあったのは間違いなさそうだけどな」

「本当ですか?」

エンゼルは少し疑いの目を向ける。


「本当っつの。それ以外にどんな理由があんだよ?」



そうこうしている間に、ヒワリは三頭の竜馬に歩み寄っていく。


「あのバカ!歩み寄るなと言ったのは自分だろ!?」

ヒワリが近づくと、群のリーダーは警戒を強めた。
リーダーに代わり、ヒワリに寄るのは母親と子供だった。

手綱を外し鞍も取る。



「元気でね」

竜馬にそう話して、ロワンやエンゼルのところへ戻った。

「ヒワリ、お前な!」


「ロワン、この手綱と鞍どうしよう?持っていけないもんね‥」

「何言っても無駄か‥。ま、手綱と鞍は町で売ってお金の足しにするかな」


ヒワリはロワンの言う通りにスモールの魔法で鞍と手綱を小さくしローブの下のバッグに入れた。



「これで良いんだな、ヒワリ?」

ロワンに尋ねられてヒワリは頷く。
竜馬の親子を見ると、親子揃って草を食べていた。


「だって籠の中の鳥みたいに自由になれないのは辛いよ」

「自由になれたからといって、自由かどうかはまた別の話だろ」


「でも嬉しそうですよ、ロワン」


今度は親子揃ってヒワリたちの方へ向く。
雰囲気がちょっと寂しげだ。
ロワンは一目見た後、エンゼルとヒワリに告げる。

「さぁて、町へ急ぐか。町へは長いぞ」


もう一度、茂みの中へと歩く。
また1人仲間が増えたと思ったら、また別の別れが待っている。

そもそも、この旅を始める時にもどこかで分かってたこと。
でも、やっぱり別れはいつでも悲しいもの――なんだね。


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