うぐいす色の実

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#29 ヒワリの選択 4/4

窓から一羽、寂しげな風を連れて黒いチェルシーが入ってくる。
その瞬間にディアラはヒワリを前へと突き放し、床へとヒワリは叩きつけられた。


「これで終了。あとはこれからが楽しみね」


黒いチェルシーはディアラの肩へと留まり羽繕いをする。
ヒイラギはヒワリに近付こうとするが、ヒワリの周辺だけ氷の壁を張った。


「その氷早く溶かないと、ヒワリ凍えちゃうからね。じゃ、ロワンによろしく」

ディアラは黒いチェルシーと共に光り、白い光が部屋を包み込むとディアラも黒いチェルシーもそこにはおらず、窓のカーテンが月明かりに照らされ風になびいているだけだった。


「早くその氷を溶かしてあげなさい、ヒイラギ」

「わ、わかった‥」


シワスの声にヒイラギはファイアを使い溶かしていると、階段から駆け上がる音が聞こえロワンたちが戻って来た。

「2人とも無事か!?ヒワリは‥!――」


ロワンはヒワリの姿を見て言葉を失い、フォーンは口に手を抑えた。

「ヒワリ‥‥!?」
「悪いが手伝ってくれんか!?」

シワスがロワンたちに声をかけると、みんながファイアを使い氷を溶かすと体を冷やしたヒワリにヒイラギはサンやケアを使ってヒワリの体を温めた。

ヒワリの意識はなく、ヒイラギのケアでも右肩の傷は治せなかった。


「‥‥ロワン、ヒワリさんのこと教えてくれませんか?僕はヒワリさんのこと知りたいです」

「だが知ったら‥」


「大事な仲間でしょ‥?」


フォーンに言われ、ロワンは躊躇し黙り込んだ。

「知った方がいいこともある」


ユラもフォーンやエンゼルに賛成してロワンの回答を待つ。


「長くなるぞ?話は‥10年前にさかのぼる。『クラズベリーの夜』の時だ」


ロワンは静かに口を開いた。

「知ってます。クラズベリーってクラズベリーの夜が起きたという町で‥」
「そして、黄金の血と呼ばれたキュウソスの町‥だった場所だよね」


エンゼルに続いてフォーンに言われ、ロワンは頷く。

「オレはその時クラズベリーに居て『クラズベリーの夜』に合う直前までヒワリの側にいた。簡単に言えば、ヒワリをヴァンパイアから守るためだった」


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