うぐいす色の実

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#34 ロワンとヒワリ 5/5


「これを見てもわからない?キュウソス狩りで一番楽しみにしていたんだけど、お姫様を取り逃がしてたとはね」

「もう君たち二人だけぇ」


「お父さま…お母さま…?」
「聞くな。聞いちゃダメだ」

急いでヒワリの耳を塞いだが、ヒワリの目はペンダントを見ていた。
「あの…ペンダントは…お父さまの」


ヒワリの右肩とロワンの左手首が同時に光り始め印の模様が浮かび上がると、
急に体中の流れが変わり流れのスピードが早まった。
ロワンはなんとか自分の意志で抑えたものの、ヒワリは流れの暴走を拡散させてしまったようだ。

ヒワリから放たれる光の矢が、ディアラとメノウに襲いかかった。
ロワンから見たヒワリの目は悲しみや憤りが感じられ、我を忘れているようだ。


「ディアラ!」
「ソレイユの印!?チッ、最悪。暴走しちゃって随分場が悪いわね」

ディアラとメノウが退散しようと消えかけたとき、光の矢の一部がディアラを貫きヒワリは力尽きた。
ディアラの手中にあったペンダントは手中から抜けて地面へと舞い降りた。

「ヒワリ!」
ロワンが近寄ると先ほどまで合った印は消え、何もなかったように場は静まり返っていた。





「――…ヒワリが翌日目を覚ますと昨日印が光った後のことは、覚えていなかった。
まぁ、印についてはその後何だかんだで狩人になって、
もう一度ヴァンパイアに遭遇してからは印が出来たがな。そんなとこだ」


「印は…ヴァンパイアが関係してるということでしょうか?」
エンゼルの質問には答えられずロワンはそっと立ち上がると、ポケットからペンダントを取り出しヒワリの首につける。


「本当はもっと早くに渡したかったが…。スクート様もガネット様もお守りになって下さるだろう」

エンゼルは敬語で話すロワンに違和感なく感じられた。
なぜかはわからないが、敬語よりもタメで話すロワンの方がより身近に感じられた瞬間だった。

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