うぐいす色の実

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#61 武勇伝書 4/5



『――……コルシェ・センター・フィールド、第一次予選をお送りしています。ルールはフィールド
内に潜む魔物を先に五体倒した挑戦者が先に進めます!現在予選通過者はヒワリとロワン、初出場の
リズ、トール、ムーベン。
あっ、ここで初出場のロムリが通過になりました。
第二次予選に通過できるのはあと三名だけとなります!』


昔、1000年戦争があって人間のソレイユが吸血鬼のオルゴンを倒して、これまでに続いていた戦争を
終わらし平和を取り戻したという――。それ以降、吸血鬼との戦争はなくなった――。
そんな伝説のおとぎ話は、小さいときから聞かされて育ってきたものだ。

今の暮らしは「ソレイユの賜物」だと、大人たちは決まってそういうのだ。
だから、この国で「1000年戦争」や「ソレイユ」を知らない者はいない。

しかし、このおとぎ話が実話かどうかも本当は怪しいものだ。



「どう?見つかった?」

フォーンが顔をあげてみんなに聞く。やたらと、本の羽ばたく音しか聞こえないのはサイレントの魔法が
かかっているからだろう。

そのせいでフォーンの声はよく聞こえた。



「1000年戦争の伝説なら…まだ全部読めてませんけど。ソレイユの印は書いてなくて、
ソレイユのことしかないです」

エンゼルは本の挿し絵をフォーンに見せながらそう言った。
挿し絵は右側に若い男性が立ち剣は黒い翼のある男性の胸を貫いていた。


「この絵、右がソレイユだったっけ。人間と吸血鬼の戦いの…」

「ソレイユが人間でオルゴンが吸血鬼です。…あれ?この人…腕に模様があります。
刺青でしょうか?」
エンゼルの問いかけにフォーンはエンゼルが指差す翼の生えた男性の腕をよく見た。
確かに刺青のような模様が描かれているが…ソレイユの印かどうかは怪しかった。


「説明には何て?」

「それがソレイユが吸血鬼を倒したことしか書いてないんです。
"こうして、ソレイユの不意打ちに吸血鬼たちは隅へ隅へと追いやられていった。
ソレイユはアキアミヤ兵士を率い、そして先導しながら彼らの本拠地にたどり着いた"
この後もずっと、いかにソレイユが吸血鬼を倒していったのかということしかありません」

「もしかして武勇伝書?なんだ…期待して損しちゃった」


フォーンとエンゼルの会話を聴きながらヒイラギは手の中にある本を読んでいた。
これもリードを使わなければ読めなかったが、この本もエンゼルと同じく武勇伝書のようだ。

「エンゼル、これも武勇伝書みたいだがこの本と内容が同じか替えてくれないか?
途中でもかまわない」
「大丈夫です。どうぞ」


そう言ってエンゼルの読みかけた本を受け取った瞬間ヒイラギの左腰辺りが青く光り、
エンゼルの左胸も紫色に光った。
訳がわからないうちに、光はヒイラギとエンゼルと同じ光を本も放ちすぐに淡い色の光となって
消えていく。


「今のなんですか…?」

「わからない…」

慌てて本の内容を確認した。
変わらなければ、エンゼルが言うに武勇伝書のはずだ。ヒイラギは最初のページを開けた。



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