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【1】 Mission1# プロローグ

ポチャン・・。
水が滴り落ちる音が狭い水路の中でよく響く。

ポチャン・・・ポチャン・・・・。

突然、どこからか歓声がドッと沸き、それは水路によく響いた。


 『いい?忘れないでよ?始まったら、計画通りにね』
栗色の髪に黒い瞳をした彼女が私にそう話す。
 ――確か、そういって別々に分かれたんだっけ。

そっと目を開けてみる。
底にある電灯で水路はキラキラと光り輝いている中、水面に一人。
赤い髪の少女が浮かんでいた。

どこかで銃を発砲する音が遠くから聞こえた。
普通なら、ここでパニックが起こるはず――。

でも、そうならない理由がある。


 「――・・さて、そろそろいきますか」
赤い髪に滴る水を落として、少女は水路の一本道をまっすぐかけていった。



外では有名なミュージシャンのライブが行われていた。
何万人ものファンがミュージシャンの登場で熱狂する。

ドーム型のライブ会場のど真ん中に円形形のステージ。
ステージと客席には空間があり、その周りには観客席がずらりとそろってどこも満席だ。

照明が暗くなり、スポットライトがドームの中央に照らされると、自(おの)ずと歓声が沸きあがった。



 「ライブ、見たかったなァ~」
赤い髪の少女が走っていると、目の前から息の荒い犬が5匹ほど走ってきた。
 「――見つかっちゃったか・・」
少女は腰にあった片手半剣【ハンド・アンド・ハーフ】を取り出すと、一気にせめていく。

水路の壁を蹴ったりながら5匹は次々と、こちらへ向かってくる。
それに普通の犬より相当速い。

それはそうだろう。
この犬たちは誰かにバンパイアの血をなめさせられたのに間違いなかった。
少しでもなめれば、誰でも強靭的な強さとスピードを手にすることができるからだ。
ただし、精神が弱ければ、すぐにでも気が狂ってしまう。
この犬たちは、そのバンパイアの血に副作用を起こして気が狂ってしまったのだ。

 「すぐ終わらせるからね」
少女は腰にあったもう一つの小剣【スモール・ソード】を左手で取り出すと、すべて犬に斬りつけた。
間一髪のところで噛み付かれそうになったが、こちらの小剣の方が速かったようだ。

斬られた犬たちは金色の光になって天井高く上っていくと、
まるで命が消えていく様子を表しているかのように、あちらこちらへ分散して消えていった。


 「あっちだ!急げ!!」
男性の声が水路に響きたくさんの足音がこちらへ迫ってきた。
追っては数十人らしい。
  ――扉・・!
少女は前方にある南京錠が掛けられた白い扉を見ると、一目散に駆け出した。
  ――ちょっと、遅かったかな・・?
 「いたぞ!構え――」
ずいぶん後ろの方で、クロスボウの引き金を引く音が男の声と同時に鳴り響いた。

  『――壁よ。なんじ我を妨げず、我の力となれ


 「打て!!」
 少女が古の言葉を唱えた時、男の声でいっせいに宙を裂く矢が少女に向かってのびてきた。
少女は身を翻し後ろ向きのままで大きく跳躍すると、前方に向かって飛んでくる矢を片手半剣でたたき落とした。
クロスボウがもう一度矢を放つ前に、壁は古の言葉通り反対側へ穴を開け、その中へ少女は飛び込んだ。

 「逃げられるぞ!!」
 誰かが穴へと入ろうとしたが、そうなる前に壁の穴は元通りに戻っていく。
勢いよく壁に向かって走っていた男は止まる前に壁に激突し、そのまま伸びてしまった。
 「――ったく!どいつもこいつも・・。すぐに二番隊へ連絡しろ!こいつは、タンカーで連れ出せ。」
 「隊長、ここは・・どういう扉なんです?」
隊長と呼ばれた男が他の隊員に命じていると、別の男が隊長にそう尋ねてきた。
 「この部屋は――」


少女は部屋に入ってすぐ、扉にあらゆる鍵をかけた。
  ――これで少しは時間が稼げる。あとは・・。

少女が見上げた先には巨大な水の柱が天井に向かって上っていた。
その水の柱にそって螺旋階段が伸び、柱の近くまで近寄ることができるようになっている。         
すぐに、少女は螺旋階段へ上り水の柱へと近寄っていった。

  『大地を潤す水よ。我を通し我の助けとなれ


少女が柱の中へ飛び込むと、少女の周りだけ水のアーチが現れた。

柱内には一つ、水を帯びた金色の玉(ぎょく)が柱の水に影響を受けずに浮かんでいる。
少女が探していたのはまさしくこの玉だった。

 「よかった‥」
ホッとして少女は金色の玉を取る。

どうやら、同じものを狙う彼らよりも先にここへたどり着けたらしい。


腰につけてあるポーチに玉を入れると、少女のミッションはこれで終わった。
ちょうどライブも終わった頃らしく、突然黄色い歓声が天井に飛び交う。
 「セシルも終わったとこなんだ」
天井を見上げて赤い髪の少女は微笑んだ。

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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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