うぐいす色の実

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【3】 Mission2# 始めの園―ラグルヘイム― その2

 「玉はさっき返したよ。セシルとは一緒じゃなかったの?」
計画ではテルは警備員を、セシルはファンの気をひきその間にティアは玉を見つけるというもので、
ティアが一人で逃げた後はテルとセシルで帰ってくる予定だった。

 「ライブ後アイツに会いに行ったけど、まだ楽屋から出られる状態じゃなくてさ。仕方がないから、様子を見てから帰るように言ったんだ」
 

そう言うと、テルはティアの隣にすわった。
 「とはいっても‥彼らのことだしきっとすぐ来るよ?」
 「聖騎士(パラディン)だろ?アイツは身軽だから大丈夫だって」


そう、テルもセシルもバンパイアだ。

聖騎士(パラディン)というのはバンパイアを狩るために設立された騎士団で、今では『サイコエネルギー』を盗っていく私たちを駆除するために動いている。
『サイコエネルギー』というのは、亜種側からで言うと『琥珀蟲』のこと。 要するに、『サイコエネルギー』というのは人間たちが勝手につけた名前だ。


 「‥強いんでしょ?」
ティアはそう言って口をつぐんだ。会ったことあるの?と聞こうとしたが、それはあまりにも無情すぎた。バンパイア族は逃げることが嫌いだからだ。
 
「‥だから逃げるのさ。力が不十分なうちは」
テルはそれ以上何も言わなかった。

戦い好きで負けず嫌いが多いバンパイア族は敵の前で逃げることを絶対にしない。
いくら戦って無駄死にだとわかるまでは・・。

 「――ローズ館長には報告したのか?」
ティアははっとして、テルの顔を見る。

すっかり忘れてた!

あわてるそんなティアを見て、テルは今にも笑いそうな顔をした。

 「・・だと思った。冗談さ、聞いてみただけ。そのかわり、もう忘れんなよ?」
ローズ・マイン館長は、世界樹に魔法を戻す亜種の組織――『ノヴァ』の総本部の館長。そして、その総本部は通称『ハイヴヘイム』――館の園と呼ばれている。
 

 館長というのは、そのハイヴヘイムのトップリーダー――つまり、館の園のトップリーダーという意味合いで『館長』とみんなに親しみ呼ばれているのだ。

 「止めてよ、こんなところで冗談なんて」
ティアがたしなめても、テルは一向に反省する態度を表さなかった。
そうこうしているうち、セシルが世界樹の前に現れた。

空はもうすっかり暗くなり、いくつもの星が光り瞬いていた。



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