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【1】 君がいて私がいた


 「ねぇねぇ、知ってる?五十嵐君、明日引越しちゃうんだって」
 
 授業中、私の後ろの席にいるミキとチセの声が耳に入った。
 同時に私の胸もドキッとする。

  チセ:「え!?引越しちゃうの!!?」

  ミキ:「親の都合で、東京だって言ってた」

  チセ:「とうきょう!!?でも、なんでミキが知ってンの??」

  ミキ:「昨日帰りに、五十嵐君のお母さんと先生が話してるとこ聞いたんだよ。
      それで――」


 ミキとチセの会話にそれっきり耳に入ってこなかった。
   ――ユウトが・・・?東京にいっちゃう・・・?


 五十嵐 悠人(イガラシ ユウト)は
 数年前、この町に引っ越してから私の友達だ。

 会ったばかりはクールでほとんどしゃべらなかったんだけど、
 私と話すようになってからはしだいに周りと話すようになったんだっけ。

   ――なんで、教えてくれなかったんだろう・・?


 ちらっとユウトの席を見た。
 いつも着てるはずなのに今日はその席に座っていない。

 いつもと同じ教室、同じ時間なのに、
 何かがなくなったようですごく寂しかった。

   ――・・あれ??
      なんで、こんなに寂しいの・・・?


 最近いつもそうだ・・。
 ユウトのことを想うと胸の辺りがぎゅっとなって心臓の音もはっきり聞こえる。

 今も多少ながら、ドキドキだ。

   ――・・一体どうしちゃったんだろう?


 放課後になり、
 私はカバンを持って教室から出ると通学路を歩き始めた。

 通学路の近くには桜の老木がある高台があり、
 夜になってそこから町を眺めるととてもきれいなところで一番好きな場所。

 放課後はいつもユウトとここに来て、夜景を見るのを楽しみにしていた。


   ――本当なら今日もユウトとここにくるつもりだったんだけど・・。
      今日は・・一人だね。

 桜の老木前までくると、オレンジ色に染まった空を見上げた。
 金色の太陽が少しまぶしい。

 もうこれから、ユウトと一緒に帰ることも、一緒に夜景を見ることも出来ない。


 そう思うと、涙が止まらなくなった。
 
 大好きな友達がいなくなるのは寂しいけど、ただ・・・それだけじゃない気がする。


   「お前そんなにこの場所が好きか?なンにもないのに」


 一瞬身体がビクッとなった。
 後ろを振り向くと、そこにはユウトがいた。



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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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