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【2】君がいて私がいた


 ユウトは私の隣に座った。
やっぱり、ユウトの方が背が高い。
「ユナなら絶対ここに来ると思って」

風が吹くと少し肌寒かった。

もうすぐ、冬が来るのだ。
一年で一番夜の長い日が。

「‥ユウト、本当に東京に行っちゃうの?」
「聞いたのか」

ユウトは驚いた表情を見せた。
「‥ミキとチセが‥、明日ユウトが東京に行っちゃうって‥‥それで‥」
「泣くなって。まだ、東京に行ったわけじゃないンだし」
顔をあげると、ユウトは今にも笑い出しそうな顔をしていた。

「オレも・・昨日聞いたんだ」
「・・そうなの?」
ユウトはうなずいた。
「ユナに話そうと思ってきたけど、もう知っていたんだな・・」
そういってユウトは少し悲しそうな表情になった。

 ――そっか、私のために来てくれたんだ・・・。
    ・・言いにくかったんだね。

私は涙を拭くと、ユウトの片手をギュッと握った。

「ありがとう、ユウト。・・きてくれてありがとう」
そう言って、ユウトに微笑んだ。

少しユウトの顔が赤くなったような気がした。
「べ、別に・・・。そ、それより、今日はどうする?」

空を見上げた。
闇夜の中に瞬く一番星を見た。

 『――・・座流星群は午後8時ごろがピークを迎えると予想されます。ピークは―――』

「流れ星見ようよ!今日は流星群が見れるってニュースが言ってたから!」
「流星群?マジで!?」
ユウトは笑った。
私も嬉しくて微笑み返した。
「本当だから!」


  ――きっと、大丈夫だ。
     たぶん、ユウトにはまた会える。


結構長い間、流星群が現れるのを待っていた。
夜までいられるのは今日が始めて・・。そして、ユウトと一緒にいられるのも今日で最後。

「寒くないか?」
隣に座っていたユウトが話しかけてくれた。
「大丈夫だよ。これくらい、平気」

とはいったものの・・やっぱり少し寒かった。


「無理すンなよ?あっ! 流れ星!」
「え?」

ユウトがそういったとき、透き通った夜空にたくさんの流れ星が降ってきた。
すぐに消えてしまうものもあったけど、長く尾を引いて落ちていく流れ星もあった。

「あっ、早く流れ星にお願いしないと・・!」

「大丈夫だろ?!こんなにいっぱいあるンだし」
ユウトは笑ってそういった。

「そっか、そうだよね」


ユウトは、聞くなよ?といったあと、呪文のように何かをぶつぶつと唱え始めた。

その姿が変な宗教をやってるようで、笑いをこらえながらユウトの姿を眺めた。
ところどころ、飛行機・・とか、おこづかい・・とか聞こえてきたけれど、
とりあえず自分の願いを言うことにした。

  ――・・・ユウトにまた会えますように。

「よしッ!全部いえた!ユナは何願ったんだ?」

「まぁまぁ、されは置いといて、・・途中まで帰ろ!」

「え?!ちょっ・・、待てよ!」

「待たないよ!」

スピードをあげて一気に高台を降りる。
冷たい風がほほをかすめていく。

「いや!お前がこけ・・・」
ユウトが言う前に私は思いっきりこけた。

どうやら、雑草で足がからまったらしい・・。
じわじわと痛みが伝わってきたけど、寒さがある上、感覚が少しにぶっていた。

空を見てみると、まだ流星群は降り続けていた。


   ――END――

 

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渚 日向 /ナギサ ヒナタ

Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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