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Mission6# ハイヴヘイム―書類運びのマフィン― 



  「ティア、ちょっとドアを開けてくれるか?」


ドア越しで聞き覚えのある男性の声が聞こえた。

慌ててドアを開くと、黄金色の髪をくくったマフィン・ボルトが山積みの書類を持って立っている。
彼は一見獣人のようには見えないが、両手を注意深く見ていくと長袖の袖口から黒く長い爪に、茶色の毛が生えているのがわかる。


  「急に悪いなァ。館長がティアに今夜、館長室に来るようにって言ってたぞ。時間は任せるそうだ」

  「館長、見つかったんですか?」

  「いつも通りだよ。じゃ急いでいるから、またな」


マフィンはそう言い終わると、爪で書類を破れないようにしながら走って行った。

ドアを閉めようとした時、ドアの向こう側でバサバサという音と紙の破ける音が聞こえ、
ティアにはマフィンが書類の束を落として辺り一面紙の山になるシーンが間近で起こっていることのように見えた。


遠くの廊下で「やっちまった!」という声も聞こえたところ、たぶん想像したとおりのことが起こったのだろう。

マフィンの爪は獣人であるがゆえに、
普通では引っかくことの出来ない鉄の板でも簡単に引っかいた穴が空いてしまう。


前にも同じようなことが起こったとき、ティアは丈夫な手袋をつけるという提案をしたが、
爪のせいですぐボロボロになってしまった。
それでも、なんとか一つだけ破れにくい手袋を見つけたものの、手先が動きにくく細かい作業が出来ないという欠点があり、
いちいち手袋を脱いだりつけたりするわけにもいかずに、この手袋は重要書類のときのみ使うことにしたと最近になってマフィンから聞いたばかりだった。


こういうときにこそ使えばよかったのに、と哀れに思っていると、
テーブルの上においてあった任務掲示板に目がとまり、さっそく新しい任務が届いていることに気づいた。


   『ランク:D ミッション:玉の回収(詳細は館長室で) 送信者:ローズ・マイン館長』

次に届いた任務は、はっきりした字で画面に表示されていた。



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Author:渚 日向 /ナギサ ヒナタ

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