うぐいす色の実

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Mission14# ミッドガンド――ヴィクトールの時計店―― 2/2



ティアが目を覚ますと、薄明かりの中で側に女の人がいることに気づいた。
ティアの額にそっと触れ、その手がひんやりとして心地よかった。



「熱はないみたい。ゆっくり休んで」

「あなたは・・?」

「イリスの母よ、ここは私の部屋だから安心して。誰もこないわ」



ティアは申し訳なく思い、ベッドから起き上がった。


「ごめんなさい‥。急にお邪魔してしまって」

「いいのよ、気にしないの。私も病気がちだから、少しはベッドから出ないとね」



イリスの母はそうにっこり笑うとティアの額にキスをした。


「命の恩人がこんな可愛い子なんてね。あの子がティアちゃんを連れてきた時は驚いたけど」


「いえそんな・・」

「照れなくていいのよ。この色は緋色かしら‥?綺麗な髪ね」





そう言われて、今の髪色が栗色ではなく元の髪色に戻ってしまっていることに気づいた。


「紅色だそうですが・・――」



そういいかけて、次の言葉を飲み込み黙り込んだ。
髪色についてはただでさえ目立つ色であり、一度特徴をつかんだら誰でも覚える色だった。

――ノヴァだとわかったら‥


そう思うだけで、この髪色に生まれもっていたことを悔いた。



「そうね‥、でも私はこの髪の色好きよ。イリスも気にしないわ」

ふいに心の中を読まれた気がして怖くなったが、イリスの母は小さい子を安心させるようにティアの背中をゆっくりさする。

そういえば、イリスは髪が変わる瞬間を見ていたはずなのだ。
しかし、髪の色についてはイリスの母の話の中では何も語られていなかった。

イリスの優しさに気づき、ティアは声無く泣き続けた。




「つらかったでしょう」

しかし、ティアは横に首を振る。



「・・違うんです。嬉しくて――」

ティアの髪はイリスの母から見て、緋色だと思っていた髪色が紅色へと変化していく様子に気づいた。




「でも‥同時に好きになってはいけない人を好きになってしまいました。‥‥ごめんなさい‥、お母様、髪の色の事は忘れてください」



イリスの母はティアが言わんとしていることに確信はもてなかったが何を言いたがっているのか、薄々気づきはじめていた。


「お母様じゃくすぐったいから、シャラおばさんって呼んで。今は気が済むまで泣きなさいな」

そう言ってティアを抱きしめた。


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